Microsoftが「AIリーダーシップを確保するためにアメリカ主導でオープンモデルを開発するべき」とする声明を発表しました。Google・OpenAI・NVIDIA・AMDといった大手テクノロジー企業も声明に賛同しています。

Open Weights and American AI Leadership

https://www.microsoft.com/en-us/corporate-responsibility/topics/open-weight/





AIモデルは非公開でサービスのみ展開する「クローズドモデル」と、モデルそのものを公開する「オープンモデル」に大別されます。アメリカはクローズドモデルの分野では世界の最先端に位置していますが、オープンモデルの分野では中国企業の成果が目立っています。例えば2026年7月17日に登場した「Kimi K3」は一部のテストでGPT-5.6 SolやClaude Fable 5を上回っており、2026年7月27日にオープンモデル化されることが予告されています。

第三者機関の「Artificial Analysis」が公開しているAIのインテリジェンス性能ランキングが以下。中国製オープンモデルを赤枠、アメリカ製オープンモデルを青枠で囲ってみました。中国製オープンモデルがアメリカ製クローズドモデルに匹敵する性能を達成しているのに対して、アメリカ製オープンモデルは控えめな性能であることが分かります。



中国製オープンモデルが存在感を高める中、トランプ政権が中国製モデルの規制を検討していることが報じられています。一方でアメリカのAIユーザーは中国製モデルを引き続き使用することを望んでおり、2026年7月22日にはProtonやY Combinatorなど約200の企業が参加する業界団体「Little Tech Association」がトランプ政権に対して規制を踏みとどまるように求める書簡を送付しました。

アメリカのスタートアップ企業が「中国製のオープンウェイトAIを禁止しないで」とトランプ政権に訴えかける - GIGAZINE



こうした動きの中で、Microsoftは「Open Weights and American AI Leadership(オープンウェイトとアメリカのAIリーダーシップ)」と題した声明を2026年7月24日に発表しました。Microsoftは「オープンソースソフトウェアが大企業や軍のシステムの基盤となっている」という現状を踏まえつつ、「アメリカのAIリーダーシップは『1つの最先端モデル』ではなく『あらゆる分野に浸透する強力でオープンなエコシステム』によって評価されるようになる」「適切な選択をすれば、オープンモデルは機会を拡大し、競争力を強化し、アメリカの技術的リーダーシップを確固たるものにし、リスクを軽減し、AI技術の恩恵が経済全体に広く行き渡ることを確実にする。アメリカはオープンモデルによるAIエコシステムの構築を主導すべきである」と主張しています。

Microsoftは誰でもアクセス可能なオープンモデルによって「高額な費用を支払わずともAIの開発・使用を可能とする」「単一のプロバイダーに縛られないAI使用を可能とする」といったメリットがあると指摘。また、オープンモデルには「制御や追跡が困難」というリスクが存在することを認めつつ「オープンモデルを禁止するのではなく、防御側も同等性能のモデルにアクセスできるようにすることが重要」と主張しています。

Microsoftは強力なオープンモデルエコシステムを構築するために「スタートアップや研究者に対する計算資源アクセスの拡大」や「データセットや評価フレームワークといった共有学習資産への投資」が必要であると述べ、政策立案者に対してオープンモデルの規制を避けるように求めています。また、「クローズドモデルから不正に能力を抽出しようとする行為」などの正当な懸念についても、「包括的な規制」ではなく「まとを絞った法的・商業的枠組み」で対処することを求めています。

Microsoftの声明にはGoogle・OpenAI・NVIDIA・AMDといった大手テクノロジー企業が賛同を表明しています。NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは「世界はフロンティア級クローズドモデルとフロンティア級オープンモデルの両方を必要としています」と述べ、声明に賛成しています。なお、ジェンスン・フアンCEOは2026年6月にXアカウントを開設しており、記事作成時点ではこれが唯一のポストです。





OpenAIのサム・アルトマンCEOは「私はオープンモデルとクローズドモデルの両方でアメリカが勝利することを望んでいます」と投稿。





Google DeepMindのデミス・ハサビスCEOも「世界がAIの利益を享受するには、強力で安全なオープンエコシステムが重要です」とコメントしています。





なお、記事作成時点で賛同者リストに名を連ねている企業や組織は以下の通りです。GPTシリーズを開発するOpenAI、Geminiシリーズを開発するGoogle、Grokシリーズを開発するSpaceXは賛同していますが、Claudeシリーズを開発するAnthropicは賛同していません。

・Agno

・AI21

・AMD

・American Innovators Network

・AMP

・Andreessen Horowitz

・Applied Compute

・Arcee AI

・Arena

・Atreides Management

・Baseten

・Black Forest Labs

・Block

・Bolt

・Box

・Camber

・Cisco

・Cloudflare

・Cohere

・Core Automation

・CrowdStrike

・Dell Technologies

・DoorDash

・EdgeRunner

・Emergence Capital

・Exia Labs

・Fastino Labs

・Fireworks AI

・Genspark

・GitHub

・Glean

・Google

・GPU MODE

・Hugging Face

・humans&

・IBM

・Inferact

・Intangible

・Interconnects AI

・LangChain

・The Linux Foundation

・LM Studio

・LMSYS

・Mariana Minerals

・Meta

・Microsoft

・Mistral

・Modal

・Morph

・Mozilla

・Nebius

・Nous Research

・NVIDIA

・Ollama

・OpenAI

・OpenClaw

・Palantir

・Palo Alto Networks

・Periodic Labs

・Perplexity

・Plastic Labs

・Prime Intellect

・PrismML

・RadixArk

・Reflection

・Rehearsals

・Replit

・Sakana AI

・Scale

・ServiceNow

・SpaceX

・Telnyx

・Trajectory

・Unsloth

・Unusual Ventures

・Vercel

・Y Combinator