中国ではアメリカ企業に依存せずにAI開発を進めるべく、国産AIチップの開発プロジェクトが進んでいます。そんな中、中国の丁薛祥副首相が「中国産AIチップを採用を拒むものは裏切り者である」と過去に発言していたことが報じられています。

Inside China’s All-Out Push to Catch Up With American AI Chips - WSJ

https://www.wsj.com/world/china/china-ai-chips-race-949050d0

中国ではAIの研究開発が活発に行われており、「Alibaba」「DeepSeek」「Z.ai」などの企業が高性能なAIモデルを次々に発表しています。中国製モデルはOpenAIやAnthropicといったアメリカの最先端企業のモデルに匹敵する性能を備えており、2026年7月17日に登場したMoonshot AIの「Kimi K3」は一部のテストでClaude Fable 5を上回るスコアを示しています。

中国製モデルアメリカモデルと比べて安価であるほか、モデルそのものが無料公開される例も多く、世界中で利用されています。しかし、中国ではNVIDIAの高性能AIチップの輸入が禁止されており、AIの学習とサービス展開の双方で計算資源不足に苦しんでいます。Kimi K3もリリースから2日で新規サブスクリプション契約を一時停止する事態に陥りました。

Claude Fable 5に匹敵する性能の中華AI「Kimi K3」が人気すぎてGPUが足りなくなり新規サブスク加入を一時停止する事態に、「Anthropicよりマシな対応」という声も - GIGAZINE



中国ではNVIDIAに依存せずにAIチップを国内で生産するための動きが進んでいます。中国有数のテクノロジー企業であるHuaweiは「Ascend」というブランド名のAIチップの開発を進めており、2026年6月にはAscend 910Cを用いてDeepSeek-V4-Proの事後学習に成功したことが報告されました。Ascendシリーズの開発が順調に進めば、NVIDIAに依存せずに中国国内のサプライチェーンのみでAIを開発・運用できるエコシステムが整うとして注目が集まっています。

NVIDIAではなくHuaweiの最先端チップ「Ascend 910C」でDeepSeek-V4-Proの事後学習に成功したことが明らかに、中国のAI自立が前進 - GIGAZINE



中国のAIチップ開発プロジェクトは丁薛祥副首相が率いる中央科学技術委員会が主導しています。ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、Huaweiは2025年夏に丁氏を招いて非公開の説明会を開催し、「中国は3年以内にAI分野の自給自足を達成する」と説明したとのこと。この説明によって丁氏はAIチップ生産に積極的な姿勢を取るようになり、国内のAI企業に対して「中国産AIチップを採用を拒むものは裏切り者である」という警告を発するに至ったそうです。

なお、アメリカ政府はすでにNVIDIA H200の中国への輸出を承認しており、中国政府による輸入許可待ちとなっています。2026年7月8日には「中国政府が『Alibaba』『ByteDance』『DeepSeek』に対してH200の輸入許可を出す見込み」と報じられています。

中国が国内AI企業によるNVIDIA H200の輸入を承認へ - GIGAZINE