「年齢による一律制限」日本はどうする? 子どものSNS…世界で広がる規制強化 専門家は“いたちごっこ”懸念【#みんなのギモン】
夏休みに入って家で子どもがスマホを触る機会が増えているのではないでしょうか。子どものSNS利用の規制が、世界で広がっています。今回の#みんなのギモンでは、「子どものSNS規制 日本では?」をテーマに解説します。
■フランスで法案可決 施行は新学期

フランスでは7月21日、15歳未満のSNS利用を禁止する法案を、ヨーロッパで初めて可決しました。地元メディアによりますと、施行は新学期が始まる9月からの予定です。法案では、SNSの運営会社に対して年齢確認システムの導入を義務付けていて、現在ある対象のアカウントは4か月の猶予を設けた上で閉鎖されます。
マクロン大統領は、SNSに「大きな前進だ」「フランスは子どもや若者を守る点で、ヨーロッパをリードしている」と投稿しました。
■世界各国で広がる規制の波

子どものSNS利用については、依存やいじめ、性被害、有害コンテンツへのアクセスなどが問題になっていて、世界各国で規制が広がっています。
オーストラリアでは2025年12月、Xやインスタグラム、TikTokなど16歳未満のSNS利用が禁止されました。ヨーロッパでは、イギリスが来年春の施行を目指して16歳未満のSNSを禁止するほか、16歳から17歳にはSNSの利用を午前0時から午前6時まで禁止するとしています。
このほか、インドネシアとマレーシアでは、すでに16歳未満のSNSが禁止されているほか、スペイン(16歳未満)やデンマーク(15歳未満)でもSNSの利用を禁止する方針です。EU=ヨーロッパ連合全体でも規制を設けることを検討しています。
フランスでは、規制に違反した場合でも子どもや保護者に罰則はなく、SNSの運営会社にも明確な罰則はありません。
一方、オーストラリアではSNSの運営会社に16歳未満が新たにアカウントを作れないようにする措置が求められていて、違反した場合は日本円で最大およそ55億円が科せられます。
■総務省とこども家庭庁が連携 法改正の議論
日本では、Xやインスタグラム、TikTokなどの事業者が利用規約で13歳以上しかアカウントを作れないと設けています。これは自己申告のため、ごまかしている例もあるといいますが、日本では、年齢で一律にすべてのSNS使用を規制することには慎重な意見も出ています。
こうした中、SNSを利用する際の年齢確認を厳格化するなど、総務省とこども家庭庁が連携し、今ある法律を改正するため議論を進めています。
22日、こども家庭庁では専門家会議のメンバーと中高生がSNSなどの法整備をめぐってセッションを行われました。
■年齢確認 マイナンバーの活用含め議論

実際に高校生たちはどう考えているのでしょうか。22日のセッションと別の機会に取材しました。
高校2年生
「親と子供がしっかり話し合って、意見の折り合いをつけて、家庭内でいろんなルールを決めていくことをもっと国が進めていくべきなんじゃないかなと思いました」
高校2年生
「制限することによって、もっと抜け道を探したりする人もいるし、むしろ自分で作ったルールの方が効果的な人もいるなって」
こども家庭庁が行う専門家会議では、先月、中間報告書の骨子案が示されました。年齢確認はマイナンバーカードの活用も含め議論することが必要だと示されました。また、子ども用のアプリを充実させることや、SNS事業者に対し有害情報から若者を守るため、どう対応するかなどの公表を求め、違反があった場合に罰則を検討することなどが盛り込まれました。今月30日に中間報告書をまとめる予定です。
■「完全に禁止するのは難しい」

若者のネットトラブルに詳しい成蹊大学・高橋暁子特別客員教授は、「子どもにとって電話にかわりSNSが友人とつながるメインの手段になっていたり、大切な居場所になっていることもあるため、完全に禁止するのは難しいです」と話しています。
また、高橋特別客員教授は、「今まで制限されていなかったものが利用できなくなれば、子どもたちは必ず抜け道を探す『いたちごっこ』になる可能性もあるため、年齢確認などしっかりとした対策も必要です」としています。
子どもを守るための制限も大切ですが、大人が一方的に押しつけるのではなく、当事者の子どもも納得できるようなSNS利用のあり方を考えていくことが求められます。
(7月22日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)【みんなのギモン】身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)

