「難病や貧困を求めすぎ」日テレが悩む”感動ポルノ”の限界…マラソンを断った「意外なタレント」とは
すでに来年のランナーを探し始めている
猛暑が日本列島を覆う2026年7月半ば。来月末に放送が迫った日本テレビの看板番組『24時間テレビ49』(8月29日・30日OA)が異常事態に陥っている。なんと今年の放送が終わっていないと言うのに、局内では来年に向けた準備が始まっているのだ。
「『24時間テレビ』の看板コーナーである『チャリティーマラソン』の顔であるランナーです。ずばり、誰を走らせるべきか。いまから局内で編成部を中心とした別班が動いています。とにかく、『走る意味がある』芸能人や文化人、スポーツ人など総ざらい状態です」(日テレ関係者)
なぜこのような異常事態になってしまったのか。すべての発端は、『24時間テレビ49』のチャリティーランナーとして発表された女優・星野真里(44歳)の起用をめぐる大逆風だった。
「日常的に難病の娘をケアしている母親を、わざわざ命の危険すらある猛暑の屋外に引きずり出す必要があるのか。ネット上では怒りの声が殺到し、局内の雰囲気は暗く静まり返っています」(制作関係者)
候補の「感動ランナー」がいない!
星野の10歳になる長女は「先天性ミオパチー」という国指定の難病と闘っており、車椅子と人工呼吸器による生活を余儀なくされている。彼女自身も社会福祉士の資格を取得し、育児と介護、女優業を両立させてきた。本来なら称賛されるべき立派な母親像なのだが……。
「連日40度にも迫る酷暑のなかで丸一日走破させるという日テレの企画に対し、医療関係者からも『常軌を逸している』と批判が起きた。局内からも疑問の声が挙がるなど、これまでにない危機的状況です」(放送作家)
そもそも日テレは、何故これほどのリスクを冒してまで星野を走らせるのか。ある制作会社の幹部が内情を明かす。
「実は、ギリギリまでランナーとして名前が挙がっていたのは別のタレントだった。今年の総合司会は内村光良さんですから、彼がMCを務める『世界の果てまでイッテQ!』のメンバーである出川哲朗や宮川大輔、手越祐也、さらには相方の南原清隆さんらの名前まで挙がっていたんです。しかし、近年は猛暑下でのマラソンに対する世間の風当たりが強い。1000万円とも言われる高額なギャラを提示されても『好感度が下がるだけで割に合わない』と、名前の挙がったタレント勢からNGが出てたようです」(事情通)
「感動ポルノ」の限界
そもそもが従来の『24時間テレビ』がオファーしていた人気タレント陣から総スカンを食らった背景にあるのが「高すぎる感動のハードル」だ。
「2024年にランナーを務めたやす子は児童養護施設で育った過去を告白した。続く2025年のSUPER EIGHT・横山裕も、極貧の生い立ちや幼い弟たちを施設へ預けざるを得なかった凄絶なルーツを涙ながらに明かしました」(制作会社プロデューサ―)
この“2人の魂の激走”は『24時間テレビ』に対する「感動ポルノ」という批判すら黙らせた。特に横山のゴール時には世帯視聴率19.5%、募金額は史上最高となる7億円超を叩き出したのだ。
「皮肉にも二人の大成功が、日テレにとっては完全に『呪縛』となってしまった。今の視聴者は、単に人気タレントが自分への挑戦として汗を流す姿だけでは納得しない。『なぜその人間が走るのか』という社会課題への当事者性や、強烈なバックボーンが不可欠になってしまった。彼らが残した大義名分と番組の成功は日テレにとって抜け出せない麻薬のようなものなんです」(放送ジャーナリスト)
本来、密かに一縷の望みを掛けていたタレント枠が全滅するなか、日テレが最後にすがりついたのが星野だった。
星野が走る「政治的意味」とは
「『難病の娘と共に生きる母』という肩書きは、マラソンに説得力を持たせられます。アンチの批判を封じ込めることもできる。星野さん側としても、過酷な挑戦ではありますが、夫は現職の都議会議員です。『分け隔てのない社会の実現』を掲げて走ることは、今後の福祉活動や夫婦の政治・タレント活動において絶大なPRにもなる。日テレの『炎上を防ぐための免罪符が欲しい』という思惑と、見事に利害が一致した結果のキャスティングだったと言うのが正直なところです」(芸能プロ幹部)
だが、こうした“過酷なバックボーン”を持つ芸能人に依存する番組作りは、もはや限界を迎えていると言わざるを得ない。2027年は記念すべき第50回の放送となるのだが、すでに懸念点が上がっている。
「スタッフたちは、今から他の企画に出演してもらる『障害を持つ家族がいる芸能人』や『壮絶なトラウマを持つタレント』を口伝で探している。言いにくい話だがどんな悲劇を背負っていれば、視聴者は納得して募金をしてくれるのか……。そんな歪んだ基準でキャスティング会議が行われていること自体、番組としては末期症状なのではないでしょうか。現場からは『24時間テレビ』は継続するが『マラソンなどの企画そのものを見直すべきだ』という声が少なからず出ている。だが日テレの上層部は過去の成功体験からいまだに抜け出せないというのが現状だ」(日テレアックスオン関係者)
チャリティー募金を集めるという意味で、番組継続は社会的に必要だろう。だが、「視聴率=広告費」という十字架を背負った『24時間テレビ』の苦悩はまさに始まったばかりなのかもしれない。
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