【県立高校再編】第1期の活用校と閉校案 背景や現状を記者が解説
上野キャスター
スタジオには取材をしている吉田記者です。今回、第1期の再編案が示され、具体的な高校名が県教委から初めて明らかになりましたね。
吉田記者
高校再編をめぐる議論は、一つの大きな節目を迎えました。まずは、再編の背景や現状を整理します。県内の中学校の卒業予定者数は今年度の8107人から2038年度には6010人まで減り、2000人あまり減少すると推計されています。県教委は、急激な人口減少のなか「多様な学びができる魅力ある公立高校を作る」ことを今回の再編の目的としています。
どのような高校を作っていくのでしょうか。
吉田記者
県教委は、目指す学校の方向性として7つの学校類型を示しています。
大規模校は「総合選択ハイスクール」。
中規模校は、
大学進学に必要な学力を身に付ける、普通教育を中心とした「プログレスハイスクール」、
探究活動を拡充して教科横断的な学びを特色とする「STEAMハイスクール」、
海外の大学への進学も選択できるよう英語力の向上に力を入れる「グローバルハイスクール」、
情報や商業など専門分野を重点的に学んだり、生徒主体の関心ごとに合わせて柔軟に活動したりできる「未来探求ハイスクール」、
職業系専門学科を設ける「実践ハイスクール」の5種類です。
小規模校は、地域に根差した高校として「地域共創ハイスクール」とする方針です。
上野キャスター
再編はどのように進めて行くのかみていきましょう。
吉田記者
こちらが再編の全体像です。
一番下が2029年度頃に行う第1期の再編です。
中段が2033年度頃に行う第2期の再編。
そして一番上が2038年度頃に行う第3期の再編です。
現在34校ある県立高校をおよそ20校に再編することで、1校あたりの生徒数を一定程度確保するとしています。
上野キャスター
今回、主に示されたのが2029年度をめどに行う第1期の再編案ですね。グローバルハイスクール1校と未来探求ハイスクール4校についてどの高校を活用するかが示されました。
吉田記者
「グローバルハイスクール」は英語による授業や発表を通して表現力や実践力を養い、世界で活躍する人材の育成を目指すとしていて「富山高校」の校舎、敷地を活用する方針です。県教委はその理由として「探求科学科が設置されていて、発展的な探究活動につながる下地があること」や「成果発表などに活用できる多目的ホールがあること」などを挙げています。また、関係者によりますと県教委は、この学校について海外の名門大学への受験資格を得ることができる「国際バカロレア認定校」を目指していて、進学実績や教育環境などを総合的に考慮し「富山高校」を選んだとみられます。
上野キャスター
続いては、得意分野や関心に応じて主体的にカリキュラムを選べる「未来探求ハイスクール」です。「富山商業高校」「高岡商業高校」「滑川高校」「小杉高校」の4校の校舎、敷地を活用するとしています。
吉田記者
県教委はこれら4校について「専門科目が開設できる実習室や設備が整っていること」「近隣の大学や企業と連携した教育活動が期待できること」「交通アクセスが良いこと」などを選定理由に挙げています。
上野キャスター
同じ「未来探求ハイスクール」でも、学校によって特色が分かれるようですね。
吉田記者
「未来探求ハイスクール」はさらに2つのタイプに分かれます。
1つめのタイプは「得意を生かせる学校」と位置付け、「富山商業」と「高岡商業」の校舎、敷地を活用する学校です。商業や情報などの専門分野の知識や技術を高め、社会課題を解決する力を育みます。また、専門性の高い学びを実践するため、企業や大学など外部と連携した教育を充実させます。さらに、部活動も強化し、指導体制や設備を充実させてスポーツや文化芸術分野に打ち込める環境を整えるとしています。
一方、2つ目のタイプは「なりたい自分を見つけることができる学校」と位置付けています。「滑川」と「小杉」の校舎・敷地を活用する学校です。学外とも連携しながら、多様な職業観を養い、「やりたいこと」を見つけ、「なりたい自分」を描けるキャリア教育を充実させるとしています。また、外国人生徒への日本語指導員の配置を充実させるなど、一人ひとりに応じた支援を行い、生徒の自信を育む学びにつなげるとしています。
これら4校の「未来探求ハイスクール」では、卒業に必要な単位数を最低限に抑え、「余白の時間」をつくることにしています。例えば、授業は午前中のみとし、午後に部活動や校外での学びなどにあてるイメージです。
上野キャスター
高校の名前はどうなるのでしょうか。
吉田記者
県教委は「学校名を変えるべきかは今後検討していく」としていて、活用する学校の高校名から変わらない可能性もあるということです。
上野キャスター
一方で、今後閉校となる学校についても示されましたね。
吉田記者
県教委は「伏木高校」「大門高校」「富山西高校」の3校について、2029年度から募集を停止し、2030年度末で閉校とする案を示しました。理由として「通学の交通アクセス」や「直近5年間の志願状況」などを挙げています。
上野キャスター
ただ、今回は閉校とならなかったものの、今後、検討対象となる高校名も出てきましたね。
吉田記者
このうち、上市町の上市高校や立山町の雄山高校など「市や町に1校しかない高校」については、今回は閉校を見送りました。一方で、第2期以降では議論の対象となります。
新田知事
「閉校というのはその学校がなくなるということでは絶対にありません、それぞれの学校でこれまで取り組んでこられた特色ある教育、あるいは地域の皆さんと協力し合っての教育、このようなものをしっかり新時代ハイスクールに受け継いでいく、このようなことをしっかりとわきまえていく必要があろうと思います」
上野キャスター
このほか、きょうは第2期に設置する中高一貫校に「高岡高校」を、第3期に設置する大規模校に「呉羽高校」を活用することも示されましたね。
吉田記者
中高一貫校は、県西部から広く通学しやすい高岡高校の敷地を活用します。公立では県内初の中高一貫校で、中学生と高校生一緒に混合グループで探究活動を実施することを特徴の一つとしています。例えば、高校生が中学生に教えることで、自らの学びを深め、多角的にテーマを深掘りしていく機会につなげるとしています。
大規模校の「総合選択ハイスクール」は、県内全域から通学しやすい、現在の呉羽高校の敷地を活用するとしています。多くの科目や部活動を選択できるほか、多様な考え方に触れることで、他者と協働しながら社会に参画する力を育むとしています。
県教委はこの2校について「交通アクセスの良さ」や「活用できる敷地の広さ」などを考慮して選んだとしています。このタイミングで公表した理由については「具体的な学校づくりを早期に進める必要があるため」と説明しています。今後、選抜方法や整備方法について議論を進めるとしています。
上野キャスター
一方、県が進める再編とは別に、国は全国の公立高校を対象にモデルケースとなる拠点校を選んでいますね。
吉田記者
県内では、すでに「魚津高校」と「小杉高校」が選ばれています。採択されると、国の財政支援を受けて設備投資を進めることができ、今年度から3年間で「魚津高校」には12億円あまり、「小杉高校」には11億円あまりが交付されます。
上野キャスター
小杉高校は、国の拠点校に採択されたうえ、今回「未来探求ハイスクール」として活用されるということですね。
吉田記者
県教育委員会は現在「富山商業高校」と「高岡工芸高校」についても追加申請を行っています。
上野キャスター
国の拠点校に採択された場合、将来的に閉校の対象となるのは考えにくいですよね。
吉田記者
県教委は「採択された学校が必ず残るとは限らない」としていますが、「ハード面の整備には多額の予算が投じられていて、再編にも大きく関わっている」とみる関係者もいます。
上野キャスター
きょう、県教委が示したのはあくまで「案」です。今後、パブリックコメントや意見交換会を経て、10月中旬に方針が取りまとめられます。
吉田記者
県教委は、閉校する学校の特色ある教育を新設校に引き継ぎ、充実させるとしています。
一方、学校がなくなることは地域にとって大きな出来事です。あすも高校再編について続報をお伝えします。

