円安と物価上昇が同時に進み、資産価値の先行きが読みにくい状況が続いている。そうした中、実業家のマイキー佐野氏が動画で取り上げたのが、インフレが本格化してからではなく、その前段階でどのように資金と向き合うべきかという視点だ。佐野氏は、多くの人が「インフレが始まってから何に投資すべきか」を考えがちだが、その発想自体に問題があると指摘し、日本経済が抱える構造的な事情から話を始めている。
 
佐野氏によれば、インフレには事前に想定できる「期待インフレ」と、予測が難しい「想定外のインフレ」があり、さらに家賃やサービス価格のように一度上がると下がりにくい「コアインフレ」と、戦争や供給停止などで一時的に跳ね上がる「エネルギーインフレ」という区分も存在する。日本は輸入依存の構造を抱えながら長く超低金利と価格転嫁の抑制を続けてきたため、外からのエネルギー要因と内側の人手不足や固定費上昇が同時に重なる、いわば二重の圧力を受けている状態にあるという。この前提の違いが、海外基準のセオリーをそのまま当てはめにくい理由になっていると佐野氏は語る。
 
そのうえで佐野氏が紹介するのが、大手運用会社が示す考え方だ。若い世代や現役世代にとっては、金そのものを持つよりも、将来の稼ぐ力を伸ばす自己投資の方が大きなリターンにつながるという視点であり、物価が上がれば時間差で賃金も上がっていくという前提に立っている。金は守りとして機能する一方、長く抱え込みすぎると利息を生まない分だけ将来の複利効果を取りこぼしてしまう点も指摘されていた。さらに過去の長期データを用いた検証では、同じ1000万円を運用した場合でも、事前に備えていた人と、報道が出てから動いた人との間で数百万円規模の差が生まれたという結果が示されており、動き出す時期の違いがいかに大きいかを物語っている。
 
佐野氏はこうした事例を踏まえながら、円という単位だけで資産を測ることの限界にも触れ、日本特有のダブルパンチをどう乗り越えていくべきかを丁寧に紐解いていく。物価と賃金、時間という三つの要素をどう組み合わせて資金と向き合うべきか、その先にある佐野氏なりの答えは動画の中で明かされており、資産形成の見通しに悩む読者にとって、今後の判断材料が整理される一本だ。

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現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営