井口資仁氏

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当面の目標は2年後のロス五輪

「侍ジャパンの次期監督に井口資仁(ただひと)氏が就任へ」と各メディアが相次いで報じた。「侍ジャパン強化委員会」は今年3月のWBCで敗退後に退任した井端弘和氏の後任の人選を進めてきた。2028年のロサンゼルス五輪の野球の出場枠獲得が当面の目標となるが、井口氏は早速「習い事」を始めたという。

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 現在51歳の井口氏は青山学院大時代の1996年にアトランタ五輪に代表の一員として出場して銀メダルを獲得した。プロ入り後は福岡ダイエーホークス(現福岡ソフトバンクホークス)や米ホワイトソックスなどで活躍し、2017年に現役引退後、翌シーズンから2022年まで千葉ロッテマリーンズで監督を務めた。大リーグ経験者の監督就任は初となる。

井口資仁氏

 監督として当面の目標は2年後のロス五輪での金メダルであり、その出場権獲得となる。

メジャー経験とNPBの監督経験

 ロス五輪の野球の出場枠は6。開催国の米国と3月のWBCで優勝したベネズエラ、4強のドミニカ共和国の出場は決定した。出場権獲得のためには予選を兼ねた2027年11月のプレミア12でアジアのトップに入るか、それを逃した場合には世界最終予選で最後の1枠に滑り込むか、が求められる。

 大谷翔平選手はロス五輪への参加に意欲を示しているため、他のメジャー組が集結する可能性も高そうだが、問題はメジャー組不在で戦うことになるプレミア12や世界最終予選でその出場切符を手に入れられるか、なのだろう。

 侍ジャパン強化委員会は全国的な知名度や発信力、選手招集のための交渉力など基準を設定して選考に当たった。

「中でもメジャー経験とNPB(日本野球機構)の監督経験は重視されたようです。世論から待望論の強い松井秀喜氏が引き受けてくれるならNPB監督経験に関係なく実現したでしょうが、松井氏は積極的ではなかった」

 と、スポーツ紙デスク。

候補だった1人

 メジャーとNPB監督経験という基準を踏まえれば井口氏以外の候補者として吉井理人(61)、高津臣吾(57)、新庄剛志(54)、石井一久(52)、松井稼頭央(50)、藤川球児(45)の各氏が想定される。

 彼らのうち現在監督やGMを務めている面々を外すと高津、松井稼の両氏が残る。ちなみに吉井氏は「栗山ジャパン」で投手コーチとして2023年のWBC優勝に貢献した。「吉井楽天」が電撃的に誕生したのは今年6月のことであり、その頃の楽天のチーム事情次第では侍ジャパン監督の可能性もあったということだろうか。

「そうですね。委員会側から水面下のアプローチはあったかもしれません。実際に楽天監督と天秤にかけたとか、61歳という年齢がネックとなったとか、本人としては栗山ジャパンでやり切った思いがあったとか、そういった話も取りざたされていますが」(同)

過去の「井口発言」

 では松井稼氏と高津氏はどうか。松井稼氏は西武監督時代の2年目の5月に休養に入って事実上の解任となった。一方の高津氏はヤクルトで2度の優勝と日本一を達成したが、指揮を執った6年のうち、最下位と5位も2度ずつある。

”解任”という負のイメージの強い松井稼氏はともかくとして、「監督レースの中身はなかなか漏れ伝わってきませんが、高津氏も候補の1人であったことは間違いないでしょう」(同)

 そんな中、最終的には井口氏が抜擢されたというわけだ。

 侍ジャパンの監督をめぐっての「井口氏の考え方」については、実は今年4月、TOKYO FMの番組に野球解説者の五十嵐亮太氏がゲスト出演した際、こんなエピソードを披露していた。

《ちょうど、このラジオの前に千葉ロッテマリーンズ元監督の井口さんと話をしたのですが、井口さんは「監督を辞めてから時間が経ってしまうと、勝負勘がなくなってしまうので、(次期監督は)今監督をやっている方、もしくは、辞めてすぐの方が適しているのではないか」ということを話していました》

習い事の中身

 井口氏がロッテの監督を退任したのは2022年のこと。「自身は侍ジャパンの監督には適していない」と言いたげな内容にも受け取れるが、結局は大役を引き受ける覚悟を決めたわけだ。最初の関門となるプレミア12までは1年余と意外と時間がないこともあり、井口氏はすでに新生活の準備を進めているようだ。

「解説者を務めるNHKや関係各所にはすでに監督就任を伝達しているとのことです。さらに“習い事”として英会話の強化とパーソナル・トレーニングに着手したとか。英会話の学習は、鈍った英語力を鍛え直そうということでしょうか。アメリカを中心に交渉事への対応やハードワークへの準備に余念がないようです」(同)

 今年のWBCでの侍ジャパンにはどこか不完全燃焼感を抱いたファンも多い。ロス五輪への出場は雪辱を果たす絶好の機会となるだろう。それだけに井口新監督には「勝負勘」を早めに取り戻すことが期待されている。

デイリー新潮編集部