「血圧を下げたいなら野菜は油で炒めなさい」医者がけっして《生野菜サラダ》にこだわらない理由
夏の柑橘類にはポリフェノールがたくさん
「動脈硬化とは、単に血管の壁にプラーク(脂質成分など)が貼りついている状態と考えられがちですが、それだけではありません。その正体は、酸化ストレスによって変性した『酸化LDL』が引き起こす慢性炎症です」(東邦大学名誉教授の東丸貴信氏)
人間の体は日常の代謝活動を行うだけでも、必ず一定量の過酸化物質が発生する。
健康な状態であれば、これらの過酸化物質は体内の抗酸化酵素で速やかに消去される。
だが、高血圧や高脂血症、糖尿病といった生活習慣病になってしまうと、この消去機能が追いつかなくなってしまう。その結果、体内に過酸化物質が過剰に溜まり、酸化ストレスの高い状態となり、血管が徐々に弱ってしまうのだ。
この慢性炎症を抑えるためには、何を食べればいいのか。夏に旬を迎える食べ物を中心に見ていこう。
「植物が持つポリフェノールやカロチノイドが有効です。有名なのは赤ワインですが、ブドウや茄子のほか、夏みかんなどの夏の柑橘類にも多く含まれます。各種ポリフェノールには、抗酸化作用や抗炎症作用、血液中の血小板の凝集を抑えて血栓を防ぐ作用があります」(東丸氏)
「生野菜サラダ」にこだわる必要はゼロ
トマトに含まれるリコピンなどのカロチノイドも同様の効果が期待できる。
「もちろん生で食べてもよいですが、生野菜サラダにこだわる必要はありません。一般的なビタミン類と異なり、カロチノイドやポリフェノール、そして食物繊維は加熱に対して非常に強い性質を持っているためです」(東丸氏)
トマトを例に挙げると、生で食べるよりも、軽く煮たり、油で炒めたりしたほうが体内での消化を妨げる細胞壁が壊れ、リコピンの吸収率は向上する。さらにリコピンは脂溶性であるため、抗酸化作用を持つオリーブオイルなどの良質な油と一緒に摂取することで、体内への吸収効率が最大化される。
また、きゅうりは100gあたり1,1gの食物繊維を含む。食物繊維には便秘対策に役立つ整腸作用のほか、血糖値の上昇を抑えたり、血中のコレステロール値を下げたりする働きが期待できる。
こうした野菜は、つい甘くておいしいものを選びたくなるもの。だが、血管の天敵は糖分だ。糖分が増えると体内のAGE(終末糖化産物)も増え、細胞内の酸化作用が促されて、過酸化物質が大量に発生してしまう。
トマトなら赤々と甘そうなものではなく、少し青みが残るものを選ぶとよい。
【後編記事】『冷たいそうめん、スイカもNG【夏に食べるのは極力控えたい】医者が教える意外すぎる食品』につづく。
「週刊現代」2026年7月20日号より

