「もうユニクロの弟分じゃない」なぜ今季のGUは劇的にオシャレに? 色使い、シルエット…新体制で起きた“4つの変化”とは
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第582回もよろしくお願いします。
◆今季GUが変わった4つのこと
高級ブランド“マルニ”の元クリエイティブ・ディレクター、フランチェスコ・リッソがGUのディレクターに就任し、今シーズン(秋)からイメージが大きく刷新されました。
今回は、GUのディレクション変更によって商品にどんな変化が起きたのか。そこを俯瞰的に語っていこうと思います。1つ言えるのは「めちゃくちゃ良くなった」ということ。もはや「ユニクロの弟分的な存在」ではないです。
・リバーシブルT ST
・・コットンボクシーT(5分袖)(ボーダー)PF
新作商品一覧を見ると分かる通り、色使いが大幅に変わりました。
マルニを知っている人なら、共通のイメージとして「大胆なカラーリング」があると思います。マルニは派手な色や柄を象徴的に使うことでも知られていますが、実はその肝は「違和感のある色使い」です。
例えば、土臭く無骨な軍用カラーである「カーキ」に、鮮やかな「サックスブルー」を組み合わせる。こうした発想は、日本人デザイナーにはあまり見られません。ある程度テイストをそろえ、統一感を作ることで服の完成度を上げ、複雑なディテールにも違和感を与えない。多くはそうしたアプローチを取りますが、フランチェスコ・リッソは「あえて」違和感のある色使いを意識しています。
◆色の選び方が神レベル
ポップアートのような派手な色使いではなく、そこに真逆の印象を持つ色を加えることで、「マルニらしさ」というべき独特の世界観を作っている。「かわいいけどカッコいい」「カッコいいけどキメすぎない」。このあたりがマルニ流です。
今回のGUでも、その感覚がいかんなく発揮されており、色使いの面白さが表れています。多色使いなのに子どもっぽく見えすぎないのは、「色の選び方が神レベル」なフランチェスコ・リッソならではでしょう。
◆2.シルエット/ディティールが変わった
・チノワイドストレートパンツ CL
・スリムジーンズ PF
定番商品も、パターンがかなり変わっています。
例えばワイドパンツは、ただ「太いだけ」ではありません。腰回りにフィット感を持たせるノータックを採用し、ゆるすぎない大人っぽいバランスを作っています。
◆独特のバランス感が新生GUの大きな魅力
GUといえば、ドカンと太いシルエットのワイドパンツが主流でしたが、今回のワイドパンツは、腰回りのフィット感と裾のルーズさを共存させた、面白みのあるものが多い。
スリムジーンズは逆に、腰回りをゆったりさせつつ、大胆にテーパードさせた、細すぎないバランスに。スリムなんだけど何かが違う。ワイドなんだけどなぜか大人っぽい! そんな独特のバランス感が、新生GUの大きな魅力です。
◆3.写真が変わった
これは商品そのものの話ではないですが、スタイリングを主とした商品写真に変化しました。実はこれ、ユニクロやGUとしてはかなり画期的。
ユニクロ、GU、無印良品は、「分かりやすさ」を重視しています。これは、ユニクロが「情報」にフォーカスしていることの表れだと思っています。真逆の考え方を持っている企業がZARAですが、ZARAは商品写真をイメージルックのように、動きのある見栄え重視で見せています。
これは両者の違いをよく示しています。ZARAを求めるお客さまは、「特定の何かを求める」のではなく、「何かおしゃれなものが欲しい」という漠然としたイメージでショッピングする人が多い。その裏付けとして、「型数の多さ」もZARAの特徴にあります。ZARAは他ブランドを凌駕するほど型数が多い。ユニクロのように「1品の在庫を大量に抱えて販売する」モデルではありません。
