【中東情勢】アメリカがイランへの追加攻撃開始…原油供給への懸念強まり物価への影響も不可避か?専門家は
アメリカ中央軍は日本時間の14日朝、イランへの追加攻撃を始めたと発表しました。攻撃は3日連続で、先週7日の報復攻撃開始以降、5回目となります。
(アメリカ トランプ大統領)
「今夜彼らを攻撃しホルムズ海峡に関連するあらゆる能力を奪う」
また、アメリカメディアによりますと、トランプ大統領が連邦議会に軍事作戦の再開を通知していたことが明らかになりました。攻撃再開は7日からとしており、アメリカの国内法上もイランとの停戦が終了したことになります。
こうした中、トランプ大統領は13日、SNSで、イランやイランと取引をする船舶の出入りを阻止するホルムズ海峡の海上封鎖を再開すると明らかにしました。
その上で、今後はアメリカが「ホルムズ海峡の守護者」となると宣言し、安全を提供する対価としてホルムズ海峡を通過する貨物の20パーセントを手数料として徴収する考えを明らかにしました。海上封鎖は日本時間の15日午前5時に始まるということです。
一方、この発表を受け、イランのアラグチ外相は、SNSに「トランプ大統領は完全に正しい。ホルムズ海峡を通る商船の安全を提供する者は、報酬を受けるべきだ」などと投稿しました。イランは「海峡の守護者であり、これからも永遠にそうあり続ける」とし、「20%はもちろん多すぎる。私たちは公正であろう」などと述べ、報酬をアメリカより安くすることを示唆しています。
こうした中、中東の原油供給への懸念が強まっています。
ニューヨーク原油市場の日本時間14日午前の取り引きで、国際指標のアメリカ産WTI原油の先物価格が一時、1バレル=80ドル台をつけました。ことし6月16日以来約1か月ぶりとなる高値水準です。
原油価格の今後の動向について野村総合研究所の木内 登英氏は、しばらく80ドル台で推移する可能性があるといいます。
(野村総合研究所 エグゼクティブエコノミスト 木内 登英 氏 )
「100ドル超えるかどうかは分からないですけども、80ドル程度、あるいは80ドル台で推移するって可能性が出てきたと思います。戦闘終結の最終合意に向けた合意がほぼ破棄されつつあってそういう状況を映してるんですが、それだけではなくてですね、昨日から今日にかけて原油価格がこれだけ、こう大きく反応したのはですね、トランプ大統領がホルムズ海峡を通過する船全てに20パーセントの通航量を課すとここがかなり影響してます。実際にその20パーセント通航量課すのであれば、原油価格は20パーセント近く上がってもおかしくないので、足元の上昇は、やはりそのトランプの発言をかなり受けたものだと思います」
石油関連製品など物価への影響も避けられそうにありません。
「江崎グリコ」は「ビスコ」や「プッチンプリン」など169品目を10月1日から順次値上げすると発表。中東情勢の影響によって包装資材の価格が上がりコスト上昇分を吸収することが難しいためと説明していて、出荷価格でビスコは●円プッチンプリンは●円の値上げだといいます。
値上げを行う企業が多い一方でイオングループでは…。
(記者)
「暑くなると食べたくなる冷やし中華やそばの容器が今月から見直されています」
中東情勢の影響を受け、石油関連製品の値段が上がる中一部の商品でプラスチックの使用量を10~20%削減した容器に今月から切り替えています。
(イオンスタイル静岡 串田 浩二 店長)
「プラスチック使用量を削減することによって環境負荷の低減につながるほか、1商品あたり約5円から10円の包装資材のコスト抑制となりまして…例えば、冷やし中華では、中皿トレーをなくすことによって、品質と量目をそのままに、価格を維持しながらご提供させていただいております」
他にも、焼きそばの容器は、今まで上ぶたと下の容器がわかれていたものを、薄いプラスチックが一体化となった容器に変更したといいます。イオングループは7月末までに約20品目の容器を見直します。この取り組みに客は…。
(静岡市在住)
「いいと思います。助かります。(子どもが)人並み以上に食べるかもしれないです」
(静岡市在住)
「いいことだと思います。そうしないと売れないしね。安くならなくて高くなるばっかで。現状維持を続けてくれればいいかな。値上げだけはしてほしくない」
イオングループは、このほかにもプライベートブランドの商品の中でもマヨネーズや油などのおよそ3500品目の価格を8月31日まで据え置く「価格凍結宣言」も行っています。
今後の物価への影響を経済の専門家はどう見ているのでしょうか
(野村総合研究所 エグゼクティブエコノミスト 木内 登英 氏 )
「原油価格の上昇が、例えば日用品などに転嫁されるには数か月から半年ぐらいかかるので、この春の100ドルを超える価格の高騰の影響が、本格的に出てくるのは、この秋以降。私は、7月から10月あたりにかけて物価高は本番を迎えると思ってます。ただ原油価格が落ち着くのであれば、年末にかけて物価がやや落ち着くような動きになってくると思っていたが、もしこの80ドル台ぐらいで横ばいになるとか、さらに上がっていくことになると、物価の安定がやはり年内は少なくとも見えなくなってしまう」

