高い税金をできるだけ抑えたいと考えるのは、多くの経営者にとって共通の願いだろう。とはいえ、その願いが行き過ぎれば、思わぬ形で世間に表面化してしまうこともある。税金という誰もが避けて通れないテーマだからこそ、経営者に限らず他人事では済まされない。
 
高齢者施設向けの給食を手がける、売上規模491億円超の企業グループで、税優遇を受けるための所得調整が指摘された。グループ会社間で交わされる食品の卸売価格を実態より低く申告し、その分だけ利益を圧縮していたという構図だ。背景には、一定の所得水準を下回ることで受けられる、中小企業向けの税制優遇の存在があったとされる。売上規模の大きな企業がなぜそうした調整に踏み込んだのか、指摘を受けた企業側は見解の相違があったとしつつも、修正申告と納税を済ませたとコメントした。
 
この件を動画で取り上げた脱・税理士の菅原氏は、企業の対応そのものよりも、納税へのモチベーションが生まれにくい今の仕組みに目を向けた。多額の税金を納めても、それに見合う評価や実感を得にくいことが、こうした調整に走らせる一因になっているのではないかというのが菅原氏の見立てだ。高額納税者や高額納税企業を称える仕組みがあれば、納税に対する経営者の意識も変わってくるはずだと菅原氏は指摘する。かつて存在した高額納税者の公表制度は、現在では姿を消した。称賛や名誉という形での還元が乏しい現状を、菅原氏は率直な言葉で語った。
 
動画ではこのニュースに加え、視聴者から寄せられた退職金や老後資金づくり、住宅ローンの借入額と投資の兼ね合い、ふるさと納税をめぐる自治体側と個人側の損得、小規模企業共済の活用法といった相談にも、税理士ならではの視点で答えが示されている。

日々の暮らしや将来設計に直結するテーマが並ぶだけに、それぞれの疑問に対して菅原氏がどのような結論を導き出しているかは、実際の内容を通して確かめられる部分が多い。税金の負担や老後の資産形成に悩みを抱える人にとって、判断の指針となる視点が整理される内容だ。