「異色の歩み」吉田麻也の“雑用係”に羨望の眼 韓国メディアが森保ジャパンを支えたレジェンドたちに感嘆 OBが批判ばかりの母国の現況に「深刻」と嘆き【W杯】

躍進が続いた日本。その中で南野、そして吉田とサポートメンバーとして帯同した選手たちも、常に「チームのために」と気の利いた動きを見せていた(C)Getty Images
共に北中米ワールドカップ(W杯)で“結果”は残せなかった。しかし、日韓両国代表を取り巻く空気感は驚くほど異なる。
それを物語ったのが、大会後の帰国時の様子だ。7月2日にアメリカから戻ってきた日本代表の面々に対しては、「ありがとう」「お疲れ様」と労いの声が飛び交った。一方で韓国の面々に対しては阿鼻叫喚の声が集中。とりわけ責任能力を追及されているホン・ミョンボ監督に対しては、太鼓をたたきながら「ホン・ミョンボ消えろ!」を連呼する人間も現れるほど。およそ歓迎ムードとは言えず、状況は苛烈化している印象だ。
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日本も大会前に目標として掲げた「優勝」はおろか、史上初となるベスト8超えすら果たせなかった。それでも、韓国との雰囲気の違いは残酷なまでに異なる。
そんな国内のムードの違いは、大々的にクローズアップされている。
メディア『My Daily』は、「韓国のレジェンドたちはYouTubeチャンネルやテレビで”苦言”を呈するだけ。”優勝”を目指す日本とは明らかに異なる歩み」と銘打った記事を配信。ホン・ミョンボ体制下の代表の苦心に対して、放送局『JTBC』の解説で「惨めな気持ちになる」と断じたパク・チソン氏ら元代表戦士のコメントを「彼らは自分が主役となるYouTubeやテレビ番組でファンの憂さ晴らしとなるような過激な発言を続けた」とまとめ、こう続けている。
「もちろん、彼らのような影響力のあるレジェンドたちの発言には、大きな価値がある。しかし、韓国サッカーがさらに発展しなければならない局面にあって、彼らの影響力が単なる苦言に留まっていてはいけない」
レジェンドたちの言動が視聴率や再生稼ぎの“ネタ”として消化されていく――。この現状を由々しい事態と見える同メディアは、「日本は、韓国との違いを実感させる代表例だ」と指摘。元代表キャプテンだった長谷部誠氏と中村俊輔氏がコーチングスタッフとして帯同し、最終メンバーから漏れた吉田麻也や南野拓実が“メンター”であり続けた森保ジャパンンの組織力を称えた。
「日本はレジェンドである長谷部や、中村がコーチとして合流し、日本サッカーの大切な資産である彼らの経験を自然に次世代へと伝えられる環境を整えた。さらに彼らはワールドカップ最終リストで落選した吉田と南野を共に行動させる異色的な歩みも試みた。これによって、スタッフだけでは行き届かない代表チーム内の結束力は育まれたのだ」

グループリーグ敗退の憂き目に遭った韓国。その中で率先してリーダーシップを発揮したのは、ソン・フンミンだけだった(C)Getty Images
日韓で異なったレジェンドたちの“責務”
大会期間中には、最年長の吉田、そして負傷によって無念の選外となった南野がスパイクを磨き、あらゆる用具を率先して整理する姿も見られた。そうした上下関係を取っ払った貢献が日本の堅い絆を作った。
そのチーム力の高まりを伝える同メディアは、「韓国を追い越しアジア最高レベルのチームへと成長した日本は、世界でも十分に競い合える地位を築けている」と強調。改めて母国代表の現状をふまえた“日韓比較論”を展開した。
「日本がワールドカップの開幕前に『優勝』と目標として掲げていたのは、決して根拠のないものではなかった。それぐらいの自信が彼らにはあったのだ。一方、韓国は代表チーム内で、選手たちに影響力を与えられるメッセージを発信できる“レジェンド”が不足した。
もちろん、彼ら(代表OB)の立場も理解できないわけではない。今まさに国民から激しい批判を受けている大韓サッカー協会の閉鎖的な構造を嫌い、背を向けることもセカンドキャリアを築く策の一つだ。しかし、そうしている間に韓国サッカーは衰退の道を辿った。そして、『アジアのライバル』と呼ばれた日本との格差は深刻になっている」
そして、同メディアは「韓国サッカーの危機を脱するために、外から苦言を呈するだけにとどまらず、実際に変化を生み出すことができる責務をどう果たすか。レジェンドたちは、真剣に考えるべきである」と強調。指導者となったレジェンドたちやレジェンドが介入しやすい環境を整備した今の日本代表に、最後まで羨望の眼差しを向け続けた。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]

