沖縄全戦没者追悼式であいさつ高市早苗首相。多くのヤジが飛んだ(写真は首相官邸のXから)

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高市早苗首相は2026年6月23日の沖縄県の「慰霊の日」に際し、平和祈念公園(糸満市)で開かれた沖縄全戦没者追悼式に出席した。毎年のように首相あいさつにはヤジが飛ぶが、高市早苗首相も例外ではなかった。

式典後のぶらさがり取材によると、こういったヤジの内容は高市首相は聞き取れていなかった模様で、その内容を記者から伝えられると、「『戦争をやめろ』って、今、日本は戦争をやっておりません。平和国家としての歩みを戦後ずっと続けてきたというのが日本国の誇りだ」などと応じた。

「24万人に謝ってこーい!」

式典で名前を呼ばれた高市氏が立ち上がると、「戦争反対!」と男性が大きな声を上げた。ヤジの声はひとりではなく、少し遅れて「反対!」と女性の声も続いた。男性は「9条を守れ!」と声を張り上げ、拍手のような音も聞かれた。

高市氏があいさつを始めると、男性は再び「9条を守れ!」と叫び、「24万人に謝ってこーい!」とした。高市氏はそのままあいさつを続けたが、ヤジを飛ばしている人物は「出ていけ!」「帰れ!」「沖縄に来るな!」などと叫び続けていた。

男性らはあいさつの途中で取り押さえられ、会場の外に連れ出された。

高市氏は「今日私たちが享受している平和と繁栄は、この地で命を落とされた方々の尊い犠牲と、沖縄の歩んだ筆舌に尽くし難い苦難の歴史の上に築かれたもの」とし、「日本人の誰もが、平和で心豊かに暮らせる世の中を実現するため、不断の努力を重ねていくことを、御霊にお誓い申し上げます」と述べた。

米軍基地の集中による負担にも言及し、「在日米軍施設・区域の整理・統合・縮小に取り組むとともに、沖縄の皆様と連携し、駐留軍用地跡地の有効利用を進めてまいります」などとしている。

「式典の妨害行為」「ヤジではなく、心からの叫び」

SNSでは、高市氏のあいさつの様子を捉えた動画が拡散されている。

戸田市議の河合ゆうすけ氏は、「妨害者が強制的に連行される」として会場の様子を撮影した動画を公開した。ヤジを飛ばしていた人物らは集団で席に座り、あいさつ中に叫んだり、拍手をしたりするなどしていた。警備員がヒートアップした人物を連れ出す様子もあった。

ヤジを飛ばしていた人物は改憲反対派とみられるが、こうした行動について「式典中の対応としてあり得ない」「式典の妨害行為」など、かえって逆効果だとあきれる声が多く上がっている。

自民党の新垣淑豊沖縄県議は、ヤジを報じる沖縄タイムスの記事を引用し、「今朝、共に行脚した(たぶん)20代の若者話したことが印象的だった」(原文ママ)とコメント。

「一緒に参加していた方々が高市総理への批判の横断幕を掲げていたのを見て、若者らは『今日はそのような政治的主張をする日ではないので、我々は持ちません』と毅然と話していた」といい、「政治的な意見の違いはあって当然だ。しかし、追悼の場で何を優先すべきかを理解している姿勢に感心した」とした。

「戦没者を悼む日まで政治闘争の場にしてしまうのではなく、まずは静かに祈りを捧げる。その当たり前のことを、若者の方がよく理解しているように感じた」とつづっている。

式典に参列した参政党の神谷宗幣代表は、Xで

「総理の挨拶の時にだけ騒ぐ人がたくさんいて残念な気持ちになりました」

と指摘した。

一方、共産党の田畑翔吾浦添市議は、「『戦争反対』『9条守れ』慰霊の日にこれらの言葉を投げかけるのは、冷やかしなどのヤジではなく、心からの叫びであり高市氏や自民党に向けられた批判です」とした。

高市氏に、ヤジの内容までは届いていなかったようだ。

各社が配信した、式典後の高市氏のぶらさがり会見の動画によると、終了間際に記者が式典中の「たくさんの市民の声」への所感を質問。高市氏は次のように応じた。

「私自身が喋っているので、その声自体がはっきりと何をおっしゃっているのか聞こえたわけではないが、もしも今、望月さん(編注:質問したのは東京新聞の望月衣塑子記者)がおっしゃったように、『戦争反対』ですか?『戦争やめろ』?(望月記者からの答えを受ける形で)『憲法守れ』。もちろん私たちは閣僚も内閣総理大臣も国会議議員も憲法順守義務を負っている。それから『戦争をやめろ』って、今、日本は戦争をやっておりません。平和国家としての歩みを戦後ずっと続けてきたというのが日本国の誇りだ。その上で、平和を守るために、国民の皆様の命を守るために、防衛力はしっかりと自主的に強化したいと考えている」