新型『メルセデス・ベンツSクラス』は史上最大規模の改良! 光るグリル、生成AI活用、クラウド情報で足まわり調整など、ポイントを深掘り
今後3年間で50台の新型車を投入
6月11日に新型『Sクラス』を発表したメルセデス・ベンツ日本(以下、MBJ)。今年、日本市場はこの新型Sクラスを皮切りに、新型CLAやGLCの電気自動車版などのニューモデルを投入予定だ。
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世界的には、今後3年間で50台の新型車を投入するという。新型Sクラスは、そんな新車攻勢の尖兵として日本導入された。

6月11日に日本導入が発表された新型メルセデス・ベンツSクラス。 平井大介
発表会では、ゲルティンガー剛 MBJ 社長兼CEOと、新型Sクラスの開発責任者であるフランク・ヴンドラック氏のプレゼンテーション、さらにヴンドラック氏が実車を前に解説するウォークアラウンドも行われた。
大きく変わったフロントマスク
新型Sクラスを目の当たりにして、やはり一番気になるのは大きく変わったフロントマスクだろう。
これはSクラスの志向として、ステータス感を出すための変更だそう。これにより、エレガントで時を超えた紛うことなき『Sクラスらしさ』を生み出したという。

新型Sクラスの開発責任者であるフランク・ヴンドラック氏。 平井大介
具体的には、従来型より約20%大きくなり周囲が光るラジエターグリルをはじめ、1本増えたクローム仕上げのルーバーや、散りばめられたクローム仕上げのスターパターン、そしてヘッドランプの2スターなど、次世代のラグジュアリーサルーンを表現しているようだ。
また、ヘッドランプに呼応して、テールランプも3スターとなった。なお、Eクラスなどでもテールランプにスターをアレンジしているが、3スターを採用したのは新型Sクラスだけだという。
オペレーションシステムを自社開発し搭載
自社開発したオペレーションシステム、『MB.OS』搭載も大きなトピックのひとつだ。
インフォテインメントから運転支援、ドライビングパフォーマンスなどクルマの様々な機能を統合し、より高速な処理性能と、シームレスで統合されたユーザー体験を実現。しかも、クラウドに接続すればOTAで無線アップデートでき、クルマのソフトウエアは販売店などに行かなくとも常に最新のものとなる。

自社開発したオペレーションシステム、『MB.OS』を搭載する。 平井大介
インフォテインメントシステムのMBUXも第4世代となり、MB.OSの採用によりチャットGPTやマイクロソフト・ビング、グーグル・ジェミニといった生成AIを活用。自然な会話が可能な、まるでパーソナルなデジタルアシスタントが車内にいるかのようになるという。なお、どのAIを採用するかはクルマのシステムが判断する。
AIがリアルタイムで走行データを処理
ドライブアシストやパーキングアシストも、MB.OSによって進化している。高性能コンピュータに10台の外部カメラ、5台のレーダーセンサー、12台の超音波センサーにを搭載。
AIアルゴリズムがリアルタイムでセンサーによる走行データを処理し、周囲の交通状況を瞬時に理解して、全ての移動にシームレスで直感的なサポートを提供する。

ドライブアシストやパーキングアシストも、MB.OSによって進化している。 平井大介
わかりやすい例では、Uターンできない細い道に迷い込んだ時、直前に進んできたルートを約150m、自動でハンドル操作もしながらバックできる。しかも、縁石が近いとリムプロテクションの警告も行う。駐車支援も、駐車スペースを早い段階から感知してスムーズな駐車をサポートしてくれる。
いずれ『S500』として追加
日本仕様のエンジンは、今のところ4LのV型8気筒ツインターボ(S580)と3L直列6気筒ディーゼルターボ(S450d)しか発表されていないが、プレゼンテーションのスライドや一般向けカタログでは3L直列6気筒ターボも紹介されている。いずれ『S500』として追加される可能性は高い。
また、発表会場には『メルセデス・マイバッハS680』も展示されていた。こちらも従来型同様の6LのV型12気筒ツインターボが搭載され、ラインナップに加わるだろう。なお、S680以外のエンジンにはISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせた、48Vマイルドハイブリッドが採用されている。

日本仕様のエンジンは、今のところ4LのV8ツインターボ(写真)と3L直6ディーゼルターボを発表。 平井大介
V8エンジンは新たに、フラットプレーンクランクシャフトを採用する。
これはクランクピンが180度の角度で一直線に配置され、左右のシリンダーが等間隔で爆発して排気ガスがスムーズに排出され、高回転までスムーズに吹け上がるものだ。そのためスポーツカーに多く用いられるが、エンジン自体の振動が発生しやすく、高級車には向かないとされる。
それをメルセデスは、2本のバランサーシャフトで解消した。それゆえ、このV8は軽量でレスポンスに優れ、スポーティかつラグジュアリーなエンジンに仕上がっているという。
路面状況を他車と共有してダンパーを自動調整
また、電子制御エアマチックサスペンションはインテリジェントダンパーを備え、様々な路面で快適な乗り心地をもたらす。
また、C to Cの車々間情報共有も行い、大きく縦揺れを起こすような不整路面を通過すると車両のセンサーがクラウドに情報を送り、この情報は最大14日間保存され、同じ場所を通る他の車両のサスペンションを事前に調整するという。

電子制御エアマチックサスペンションは、インテリジェントダンパーを備える。 平井大介
これは現在のところ日本仕様には未導入だが、近くサービスを開始する予定だ。
車両全体の50%以上、約2700点の部品を新規開発または再設計した新型Sクラス。『モデル史上最大規模の改良』によって、メルセデス・ベンツのフラッグシップは、さらなる高みに達したようだ。
