60代「思い出の品と向き合った」10年間。母の着物や大量の写真…後悔しない、幸せな手放し方
思い出の品の片付けは、時間も気持ちの余裕も必要です。「気力のある50代のうちに、思い出の品を整理してよかった」と振り返るのは、夫・義母とのシニア世代3人で暮らす、整理収納アドバイザーの原田さよさん(現在60代)。ここでは、原田さんが50代の10年間で向き合った思い出の品と、後悔しない手放し方について語ります。

手放したもの1:着物

母や祖母から譲られたもの、私がお茶の稽古で着たり結婚する際にあつらえてもらったりしたものなど、着物にはどれも思い出があり、ずっと手放せませんでした。入学式や卒業式に、私だけでなく娘が着た着物もあったのでなおさらです。
ですが着物は着なくても手入れをしないといけないし、すべての着物を着る機会はもうないと納得したため、整理することに決めました。これが50代後半のときです。
残す着物を選んだあとは、出張買取をお願いし、わが家へ来ていただきました。事前に調べて分かってはいたものの、買い取り価格はやはり低く、少し寂しい気持ちになったものです。
それでも、早いうちにやっておいてよかったと、心から思っています。判断にはかなりエネルギーが必要だったため、あのときにやらなければ先延ばしにしていたことでしょう。

また、自分の着物の整理を先にしておいたので、さらに数の多かった母の着物整理の際にもその経験を活かせました。老人ホームで生活をしている母はもう着ることはできないし、母本人も着物の傷みを気にしていたため、思いきって整理したのです。
このときは、「それを見れば母を思い出せる」というものや、私や妹、娘などが着られるものだけを残し、実家へ出張買取に来ていただきました。
手放したもの2:子どもの季節のお飾り

こいのぼり、ひな人形は、子どもたちが成長するにつれ出さなくなっていましたが、両親が孫のためにと買ってくれたものだったし、私自身も子どもたちとの思い出がつまっていたため、処分できずにいました。
でも、娘の結婚が決まったときに、「これは私が元気なうちに決めておかないと」と決意しました。写真に残し、子どもにも相談しながら、供養に出したり自治体に寄付したり。それを終えたときは、親としての役割をまたひとつ手放せたかもしれないと思えました。
手放したもの3:大量の写真

古いアルバムや、バラの紙焼き写真は、9000枚近くありました。すでにデジタルの写真がその何倍もあるので、これ以上増えても全部を見ることはないし、紙の写真はどんどん劣化していくばかりなので、50代の終わりに思いきって整理しました。
約9000枚から1000枚程度にまで残す写真を絞り、そのデータ化を業者に依頼し、1枚のDVDに入れてもらいました。ここまで本当にしんどかったですが、今はそれらの写真をサッと見られるようになり喜んでいます。

ちなみに、私がデータ化する写真を選ぶときに見ていたポイントは、以下のとおりです。
・似たような写真が数枚あるなら、とっておきの1枚を
・自分や家族がはっきり写っているもの
・家族と見たとき、笑顔になれるもの、そのときの感動を思い出せるもの
・動きがあってイキイキしているもの
思い出の品の整理には、気力や体力だけでなく時間も必要でしたが、終えたあとは心のなかに余白が生まれているのを感じホッとしました。手放したものも残したものも、すべてが今の自分を大切にするための選択だったと思えたのです。
50代の10年間の積み重ねが、62歳の今の穏やかな暮らしにつながっていると感じます。これからも身体や気持ちの変化に合わせて、その都度見直していくつもりです。
