仕事に家事にあわただしく、余裕がないと感じる人も多いのではないでしょうか。「40代を目前にして、世間一般で“正解”とされている暮らし方が、必ずしも自分をラクにしてくれるわけではないと気づきました」と語るのは、ESSEonlineライターの小林ユリさん。今回、小林さんが「やめたら暮らしも心もラクになったこと」について語ります。

1:「片付け」のハードルを上げる

ものはすべて隠す、細かくカテゴリー分けするなど、以前の筆者は「完璧な収納」を目指していました。

【実際の寝室】ベッドとふとんで夫婦別々に

乱れている状態=ダメな暮らし。そんな思い込みがあったんです。

でも現実は、休日や仕事後は正直ゆっくりしたいし、決めた定位置を守れないと自己嫌悪になってしまいます。

年齢とともに仕事も忙しくなり、家の管理まで手が回らない。そんな日々の積み重ねで、「ちゃんと片付けなきゃ」がいつの間にかプレッシャーになっていました。

そこで、思いきってやめることにしたのが「完璧を前提にした収納」。

「見えていても使いやすければOK」「多少散らかっても暮らしていける」くらいの基準に変えました。

ものの定位置も、アイテムごとではなくジャンルでざっくり管理。「きっちり戻す」より「戻しやすい」を優先することで、片付けのハードルがぐっと下がりました。

また、あえて“出しっぱなしOK”のスペースをつくったことで、「このマンガ本、なんで片付けないの?」と夫にイライラすることも減り、結果的に夫婦ゲンカも少なくなった気がします。

若い頃は当たり前だと思っていたことも、今の自分には少し重いこともあります。

家は、「見せる場所」ではなく「暮らす場所」。そう考えられるようになったのは、大きな変化でした。

2:来客前提の家づくり

生活感を消して、人の目を意識したインテリアを取り入れるなど、以前は「いつだれが来ても大丈夫な家」を目指していました。でも、あるときふと気づいたんです。「そもそも、来客って思ったより少ない」ということに。

この家で毎日暮らしているのは筆者と夫。優先すべきなのは来客ではなく、日常を過ごす自分たちのはずですよね。

それに、たとえ人が来たとしても家が完璧である必要はありません。家にいるのに自分が疲れてしまうほうが、よほど困ります。以前はティッシュもゴミ箱も見えないところに隠していましたが、今は出しっぱなしがデフォルトです。

アラフォーになって思うのは、「だれかにほめられる家」よりも「自分がちゃんと休める家」のほうがずっと大事だということ。その意識にきり替えたら、気持ちがずいぶんラクになりました。

3:映えるインテリア

流行重視、統一感最優先、扱いに気をつかう雑貨などの“いわゆる映えインテリア”も思いきって手放しました。自分がリラックスできるか、本当に使いやすいか。この2点を基準に選ぶ方が、体にも心にも優しいと感じるようになったからです。

たとえば、わが家の寝室。以前はベッドを2つ並べていました。そのほうが整って見えるし、「ちゃんとした寝室」っぽかったから。

でもじつは、夫は布団派。布団で寝るほうがリラックスできるということで、今はベッドをひとつ処分し、ベッドひとつ・布団ひとつというスタイルに落ち着いています。

40代を目前にわかったことは「ちゃんとした暮らし」は、必ずしも自分を楽にしてくれるものではないということ。大切なのは見た目の正解より、暮らしの快適さです。

ほどほどで無理なく続く暮らしに変えてからは、以前よりも心地よさを感じています。年齢とともに似合う服が変わるように、暮らしぶりも変わっていい。そう思えるようになった今の自分を、結構気に入っています。