「公立不合格」が怖くない? 大分県高校入試新制度の全貌 「複数校志願」と「私学無償化」で変わる選択肢
大分県で今の中学3年生から高校入学を取り巻く環境が大きく変わります。一つは県立高校入試に導入される「複数校志願制度」。もう一つは私立高校の無償化がスタートする見込みということです。こうした制度の変更でどのような影響が考えられるのでしょうか。
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「複数校志願制度」とは
全県一区制度のあり方を検討してきた県教委が今回から導入を決めた「複数校志願制度」。一次入試はこれまで通り全県一区で実施し、欠員が出た学校での二次入試は廃止されます。その代わり、第一志望校に合格できなかった受験生は「第二志願」を出願でき、一次入試の得点と調査書で合否が決まります。
「第二志願」となる普通科高校では、出身中学がある市町村によって出願可能な学校が限られる「通学区域制度」が導入されます。専門・総合学科はどこの地域でも出願可能です。
大分市の高校への挑戦を後押し
この入試制度の変更でどのような影響が予想されるのでしょうか。
40年以上、高校受験を見てきた学習塾は、地方の生徒にとっては大分市の高校に挑戦しやすくなるのではないかと分析します。
能開センター大分校責任者 三ツ股新吾さん:
「例年の受験でいくと、大分市は相変わらず倍率が高いが、それ以外の市にある高校は定員割れを起こしている。今年の入試制度によって『大分市の高校を目指し、ダメだったら地元に行こうかな』というのがやりやすくなったという見方をしている」
さらに、私学の無償化が県立への志願を後押しする可能性もあると指摘します。
能開センター大分校責任者 三ツ股新吾さん:
「受験生本人や保護者と話しても、『県立は本人が望む形でチャレンジさせたい。不合格になったとしても私立で頑張っていく』という声が増えてきた」
私学無償化がもたらす安心感
一方、私立高校にも変化がみられています。大分市の楊志館高校では、今年度から保育や福祉の分野を統合して「ライフデザインコース」を新設。専門知識を学びながら進学を見据えた「普通科」としての位置づけで、1期生が学んでいます。
(生徒)「専門的なことが学べるライフデザインコースに行きたいと思ったのでこの学校を選んだ」
楊志館高校は実業系ですが、大学進学を希望する生徒が増えていることから、指定校推薦を増やすなど対応も強化しています。
楊志館高校(進学担当)吉本有一郎さん:
「今年初めて大学進学の基礎や考え方を説明する保護者集会を開き、好評でした。受験方法や受験科目を調べ、早い段階から準備すれば、大学進学も十分勝負できる時代になった」
独自の魅力を打ち出す私立高校
新年度からおよそ30年ぶりに制服を変更する楊志館高校。私学無償化の追い風もあってか、今回の入試では、楊志館を第一希望とする専願の受験生が増加。特に「ライフデザインコース」は前年の2.1倍でした。
楊志館高校 関孝彦教頭:
「ライフデザインコースを含めた普通科の専願率は年々高くなっている。今はそれぞれの中学生が高校卒業後の進路を考え、自分が学びたい学校を選んでいると感じている」
将来を見据えた高校選択が主流となる中、各高校でこれまで以上に独自の魅力を発信する動きが広がりそうです。
