「にんちしょうって、なんだろう?」 徳大准教授が認知症の絵本出版【徳島】
徳島大学の准教授が12月、認知症の人との関わり方などについて描いた絵本を出版しました。
どんな絵本なのでしょうか、豊成アナウンサーが取材しました。
(朗読・豊成アナウンサー)
「ぼくのなまえは たくと。いま しょうがっこうにせんせい。ママとふたりですんでいる」
「それからぼくには、ちかくにすんでいるおばあちゃんもいる」
12月、出版された絵本「にんちしょうって、なんだろう?」。
(朗読・豊成アナウンサー)
「おいしゃさんにしらべてもらったら、おばあちゃんは『にんちしょう』になっているんだって」
「それをきいたおばあちゃんは、とってもかなしそうなかおをしていた」
認知症の「おばあちゃん」と、孫の「たくとくん」の日常が描かれています。
作者は、徳島大学の鈴木尚子准教授。
専攻は教育学ですが、認知症の人の学習支援をきっかけに、10年程前から認知症を研究しています。
(徳島大学 人と地域共創センター・鈴木尚子 准教授)
「社会の中で高齢者の人が非常に多くなっている」
「認知症になっても、住み慣れた地域で今まで通りに暮らせるように、周りの人がどんなことに気をつけてあげたらいいのか」
「幅広い世代の方に伝わったらいいなと」
日常生活に支障が出始めたおばあちゃん。
そんなおばあちゃんを、たくとくんが手助けしながら、認知症への理解を深めていくというストーリーです。
たくとくんは、鈴木准教授が研究の中で実際に出会った子どもがモデル。
たとえば、たくとくんが認知症という言葉をはじめて知った場面。
(徳島大学 人と地域共創センター・鈴木尚子 准教授)
「みんな認知症って聞いたことあるって尋ねたら、はーいって手を挙げてくれて」
「『ニンジン』『ショウガ』って言ってくれたんですね。それをそのまま絵本にしています」
(豊成アナウンサー)
「これは実際のお子さんの声が、まさに、そのまま反映されたシーン」
また、認知症の学習の一環で寸劇を披露した際には…。
(徳島大学 人と地域共創センター・鈴木尚子 准教授)
「おばあちゃん役の女性が、卵はどこだったかしらと、パンはどこだっかしらと言いながら、うろうろし始めると」
「子どもたちが率先して、あっちとかこっちとか喜んで誘導しようとしてくれる」
「そういった子どもたちの純粋な気持ち、行動力を実際に認知症の人が困ってるときに活かせるといいなと思って、絵本にも取り入れた。それがこのシーンです」
(豊成アナウンサー)
「特に、ここに注目してほしいというこだわりは?」
(徳島大学 人と地域共創センター・鈴木尚子 准教授)
「この絵本には、認知症の方の症状だけを描くのではなくて、症状に対して周りの方がどう接したらいいかを、できるだけ具体的に丁寧に子どもの目線から伝えるようにしました」
「認知症になったおばあちゃんの心の動きを丁寧に描いて、自分がおかしなことをしているのではないかと心配になったり、気にしたりしているおばあちゃん自身のセリフから伝えられるように、そういったところも丁寧に描きました」
海外から出版依頼も来ているということで、鈴木准教授は「絵本をきっかけに交流を広げていければ」と、話しています。
