(C)赤井まつり・オーバーラップ/暗殺者のステータスが勇者よりも強い製作委員会

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オーバーラップ文庫で好評連載中の赤井まつりによるライトノベルを原作としたTVアニメ『暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが』(略称:ステつよ)が、いよいよ10月6日(水)より放送開始!
クラスメイトと共に異世界に召喚され、”暗殺者”のスキルを得た少年・織田晶が、真の”暗殺者”へと成長していく姿を描く本作。
今回は、本作で自身初の異世界転移ものに挑戦した羽原信義監督に、作品の魅力や制作の裏側、見どころについてたっぷり語ってもらった。

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――まずは監督就任までの経緯を教えてください。

羽原:実は、もうTVアニメの監督業は引退しようと思っていたんです。体力的にも厳しいし、しんどいし……。なので、最初はこの作品もお断りさせていただきました。
ただ、「若手監督を立てて、自分は総監督的な立場で育成に関わる」という形であれば、やる意味があると思ったんです。そう話をしたのですが……気づけば、なんだかんだで自分が監督をやることになっていました(笑)。

――実際に監督をやってみて、やはり大変でしたか?

羽原:僕はどうしても作業に時間がかかるタイプで、周囲には迷惑をかけてしまったと思います。でも制作チームと協力しながら、なんとか進めることができました。このチームじゃなかったら、監督として最後までやり遂げられなかったかもしれません。

――今回は監督として初の「異世界転移もの」とのことですが?

羽原:そうですね、これまでにも劇中で異世界に跳んじゃう作品はありましたが、「異世界転移もの」は初めてです。とはいえ、アニメって元々異世界ファンタジーやSFが当たり前のようにあるジャンルなので、僕の中では特別意識していませんでした。

――原作に初めて触れたときの印象は?

羽原:まず、キャラクター描写がとても丁寧だと感じました。主人公・晶くんやヒロインのアメリアなど、魅力的なキャラによる群像劇としても楽しめて、情景描写も細かくて映像がイメージしやすかったですね。読んでいて、自然と物語に引き込まれました。

――監督として、特に意識されたポイントは?

羽原:晶くんやアメリアの感情の流れを大切にしながら、原作の世界観を丁寧に描くことを意識しました。
作画面では、甲冑など技術的に再現が難しいデザインもありました。線を減らしつつ、崩さずに見せる”ギリギリのライン”を見極めながら、限界に挑戦しました。

――シリーズ構成・脚本の岡田邦彦さんとのやりとりは?

羽原:岡田さんが書いてくれたシナリオに、「ああ、いいですね」とOKを出し続けていた感じです(笑)。ほとんどおんぶに抱っこでしたね。

――原作者の赤井先生からの要望などはありましたか?

羽原:赤井先生を含む原作チームの皆さんが、シナリオ会議にもリモートで参加してくださって、いろいろ助けていただきました。
アニメオリジナルのシーンを提案したときも、「私もそれやればよかった」と言って快諾してくださって。信頼関係を築けた現場だったと思います。

羽原監督史上一番速く制作が終わった作品に

――織田晶というキャラクターをどう描こうと考えましたか?

羽原:一番大事にしたのは、晶くんの内面の変化ですね。彼は目立たない性格で、モノローグでしか表現できない感情が多いんです。
僕自身も、そういう”周りと馴染めない人”と友達になりたいタイプなので、晶くんにはすごく共感して、友達感覚で描いていました。

――アメリアのキャラクターについては?

羽原:アメリアは”ただのヒロイン”では収まらないキャラです。無口で無表情ながら、実は戦闘力も高くて、内に豊かな感情を秘めている。
話数を重ねるごとに彼女の魅力が少しずつ見えてくる構成になっているので、そこを楽しみにしていただけたらと思います。

――アメリアと晶の掛け合いも見どころですね。

羽原:アメリアはエルフ族なので見た目は若いけど、実は晶くんより年上。人生経験も豊富なので、意外とアメリアからアプローチしてきたりします(笑)。そうしたギャップと、それに対する晶くんの反応も、上手く出せたらいいなと考えていました。

――晶役に大塚剛央さんを起用した経緯は?

羽原:基本的にはメインキャラクターはオーディションで、最終的に二人に絞ったんですが、赤井先生に相談したところ「大塚さんが合ってる気がします」とおっしゃって。スタッフも同意見だったので、決まりました。

――決め手になったのは?

羽原:織田晶としての理解度が深くて、キャラクターとの一致度が非常に高かったですね。晶くんの”ぼそっとつぶやく”ようなモノローグが自然で、彼の置かれた理不尽さを見事に表現してくれていて。そういった内面に含まれている部分を感じられたのが大きな決め手になりました。

――アメリア役の水野さんについては?

羽原:オーディションに何十人も受けてくださった中で、彼女だけ演技が違っていたんです。特に恥じらうシーンのセリフが、すごくピュアに響いてきて。その一言で決まりました。

――アフレコ現場の雰囲気は?

羽原:とても和やかで、ほとんどのシーンが掛け合いで収録できました。音響監督の森下(広人)さんもフレンドリーで、「飲みに行こう」って声かけしてくれるような方だったので、楽しくその日の演技の話とかできたのも、現場のチームワークを高めることに繋がった気がします。

――最終話までの制作はすでに完了しているとか?

羽原:すべて完成しています。これまでで一番スピーディーに終わった作品ですね。スタッフの努力のおかげです。

観光アニメとしても楽しめる背景の美しさ

――映像・音響面での見どころは?

羽原:今の時代にこれだけ”影”のあるリッチな映像はなかなか見られませんからね(笑)。
さらにエフェクトにフィルターをかけたり、線にノイズを加えて、アナログ風の処理も施しています。音響面ではリアルな環境音と、ファンタジー的な技の効果音をバランスよく融合させました。壁が石作りの部屋では、声が石に反響してたり、反響音などの細部も作り込んでいるので、ぜひヘッドホンで観てほしいです。

――アクションシーンも迫力満点ですね。

羽原:アクションのキレが抜群な石原(満)くんがメインアニメーターとして入ってくれて、ポイントとなるシーンはほとんどを任せました。
かつてSUNRISE BEYONDにいたスタッフを中心に、バンダイナムコフィルムワークスの”作画塾”出身の若手も多数参加してくれました。他のフロアの制作のメンバーもヘルプに来てくれて。まるで大きな敵との決戦で、駆け付けてくれる仲間たちのようで、本当にうれしかったですね。

――背景も非常にリアルで印象的です。

羽原:異世界ものを映像で見るときに、背景の世界観が嘘っぽいと「なんか絵だな」とか「考証が足りてないな」と醒めてしまうと思うんです。なので、原作チームに街のモデルを尋ねたり、自分が行ったことのある場所をベースにして、できるだけリアルさを追究するように心がけました。

――異世界の背景に”元ネタ”があるとは!

羽原:例えば、第1話のレイティス城はフランス・ロワール川沿いのアンボワーズ城がモデルだったりします。
美術の鈴木(朗)さんが素晴らしい仕事をしてくれて、リアルな異世界観が実現できました。ぜひ”異世界観光アニメ”としても楽しんでほしいです(笑)。

――OPアニメも監督が担当されていますが?

羽原:VESPERBELLさんの主題歌「一閃」は、晶くんの”暗殺者”としての顔と”素”の部分、両方が感じられて惹かれました。ヨミさんとカスカさんの声のバランスが見事にそれを表現してくださったと感じています。
曲を聴いた瞬間に映像のイメージが湧いたので、直感のままに絵コンテを描かせてもらいました。シリーズ後半に入ると気づく”仕掛け”もあるので、繰り返し観ても楽しめると思います。

――最後に、ファンへメッセージをお願いします。

羽原:本当に素晴らしいチームと一緒に、好きなことをたっぷりやらせてもらいました(笑)。
自分としても大満足の仕上がりです。ぜひ放送を楽しみにしていてください!