23人のメンバーが発表された時点で、両者とも本職のセンターフォワードで起用する構想でチームに呼んだと推察していた。その場合、4-3-3をメインで戦う大岩ジャパンでは共存ができない。しかし、指揮官は塩貝の右ウイング起用も想定してチームに招集。大岩監督もふたりの共闘について、初戦の試合後にこんなことを話していた。

「彼にも言っているけど、(前線であれば塩貝は)どこでもできる。我々のグループのタスクを理解したうえで守備のところも含めていろいろあるので。いろんなポジションができれば、より彼のポテンシャルを引き出してくれるはず。上のカテゴリーのチームに選ばれるポテンシャルはあるので(期待したい)」

 実際にふたりが同時にプレーしたアフガニスタン戦の68分以降、ミャンマー戦の試合開始から64分まで、クウェート戦の74分以降は後藤がセンターフォワードで、塩貝が右サイドでプレーした。
 
 ただ、塩貝が右サイドで良さが発揮できたわけではない。アフガニスタン戦は推進力を発揮し、重馬場のピッチを切り裂くように何度もボールを前に運んだ。オープンな展開となったことで背後のスペースがあり、裏を突く動きも効果的だった。

 しかし、2戦目以降は守りに比重を置いた相手と戦ったため、プレーが窮屈になるシーンが増加。2戦目は後藤が交代してからポジションを真ん中に移したが、周りとの呼吸が合わずに決定機を作れなかった。3戦目も持ち味を発揮できずに孤立。ウイングとしての役割を果たせなかった。

 しかし、大岩ジャパンは今回が初めて。すり合わせている段階であり、指揮官が求めるプレーモデルもまだ把握している最中だ。逆に塩貝が右サイドでも輝ける体制が整えば、ロス五輪世代の攻撃力は増す。そうした理想系を探るうえで、ミャンマーの地でトライができたのは収穫だった。

 7月下旬のウズベキスタン遠征を経て、今回のU-23アジアカップ予選で本格的に動き出した大岩ジャパン。伸びしろ十分の若き日本代表の戦いはまだ始まったばかりだ。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

【画像】日本代表のアメリカ戦出場17選手&監督の採点を一挙紹介! 先発10人が及第点以下の厳しい評価。最高点は好守を連発した12番