OBS

写真拡大

日本の夏を彩る花火大会。この時期全国各地で開催されていますが、花火をつくる原料の価格や人件費の高騰により、維持や継続が難しくなっています。こうした中、伝統を守るための動きが広がっています。

【写真を見る】花火大会が存続の危機 “天守閣から観覧”工夫凝らし資金確保、支援の輪も広がる

人口超える観客、年々増す負担

大分県津久見市で行われた「納涼花火大会」。1951年から70年以上続く伝統行事です。今年も津久見港から5000発以上の花火が夜空を彩り、多くの観客を魅了しました。

(訪れた人)「めっちゃきれいで感動します」「夏が来たなっていう感じがします」「やっぱり津久見の花火はいいですね」

大会では、津久見市の人口を大きく上回る約1万5000人の観客に対応するため、100人以上の警備員を配置するなど、地元が負担するコストは少なくありません。さらに急激な物価や人件費の上昇により、これまで通り開催するのが難しくなっているといいます。

石川正史市長:
「さまざまな経費がすべて値上がりをしています。地元で負担する費用はこれまでと変わらないが、同じ規模の大会を実施しようとすると1.5倍の費用がかかります。その部分を何とかして埋めないといけないという工夫をしています」

今年は、初めて有料観覧席や駐車場を設け、資金を確保。例年並みの5200発を打ち上げることができました。

新たな試み“天守閣から観覧”

一方、花火大会の開催を予定している杵築市でも、規模の維持に頭を悩ませています。

毎年8月16日に開催される大会は1969年から続き、お盆の帰省客も楽しみにしている夏の恒例行事です。しかし、打ち上げ数は2022年の3915発から、去年は3034発に減少。今年は何とか3000発を維持したいとしています。

杵築市商工観光課 西佑太さん:
「発数事態は年々少なくなってきているが、歴史のある花火大会なので、これからも長く続けていきたい」

そこで杵築市は、新たな試みとして杵築城を特別観覧席に設定。天守閣のほか、城の外階段や展望台を有料の観覧席とし、大会に付加価値を持たせ、資金の確保に乗り出しました。

夏の風物詩存続へ…民間企業も支援

全国的に花火大会の維持・継続が困難になる中、企業による支援の動きも出ています。

キリンビールは、日本の風物詩を守る取り組みとして「晴れ風アクション」を展開。2年目の今年は、津久見市と杵築市を含む全国95の自治体に対し、「晴れ風」の売り上げに応じて寄付金を分配。また、特設サイトで1日1回無料で取得できる「晴れ風コイン」(1コイン=0.5円分)使って、応援したい自治体に寄付できる仕組みを設けました。

津久見市では、職員の互助会が花火会場で飲食店を出店。売り上げの全額を大会に寄付したほか、「晴れ風」の販売にも力を入れ、コインによる寄付も呼びかけました。

(飲んだ人)「めちゃくちゃおいしいです。これ2杯目です。花火をずっと継続させてもらいたいのですごくいい企画だと思う」「寄付って書いていたので、そうなのかなと思って貢献させてもらった。あって当たり前の存在なので継続してもらえたらうれしい」

石川正史市長:
「津久見市民にとってはなくてはならない花火大会ですので、なんとか維持して守っていきたいという強い思いを持っています」

かつては「当たり前」のように楽しんでいた夏の花火大会。しかし今、その継続には多くの工夫と支援が欠かせなくなっています。