伝統の獅子舞を継承 松茂町の「三人背継ぎ」【徳島】
松茂町の秋祭りには、3人1組みが肩車をして演じる、珍しい獅子舞の演目「三人背継ぎ(せつぎ)」が、2023年に14年ぶりに復活。
2025年7月には、保存会を立ち上げ活動しています。
9月の大阪・関西万博や、徳島市の阿波踊りにあわせて披露されるということで、今、練習のまっさかり。
伝統芸能を残そうと、取り組む人たちを取材しました。
■「三人背継ぎ」の保存会
秋祭りはまだまだ先なのに、もう獅子舞の練習が始まっていました。
松茂町の春日神社の秋祭りに奉納される、町指定の無形民俗文化財である「三人背継ぎ」獅子舞を後世に残そうと、2025年7月に結成されました。
立ち上げメンバーの1人で、氏子の多田卓治さんです。
(廣島三人背継獅子舞保存会・多田卓治さん)
「どうしても、高齢化が進んで子どもの数も少なくなってきたので」
「今後、継承していくにあたって厳しくなっていくだろうと」
「折角、昔から続いているものを、われわれの代でなくすわけにはいかないので」
全国でも珍しい、獅子舞の演目。
江戸時代から続く、松茂町の「三人背継ぎ」獅子舞、身体にかかる負担から長年途絶えていました。
「おいおい」
しかし、2023年、氏子たちが力を合わせて復活。
■子ども・大人2人で高さ3メートル超え
この演目の最大の見せ場は、3人が地面をぐるっと横に回転したあと、1番上に子どもが乗り、その下に大人2人が肩車をして、3メートルを超える高さの勇壮な2体の獅子を作り上げる、この場面です。
保存会では、町内外からメンバーを集めようと、大阪・関西万博での舞台や、徳島市の阿波踊りにあわせ、「三人背継ぎ」を披露することを決めました。
その本番に向け今、練習を重ねています。
■待望の新人
この夏、保存会に加入した地元出身の中村卓巳さんです。
(保存会に加入した・中村 卓巳さん)
「祭りがあるのは知ってたんですけど、どういう祭りしているかは知らなくて」
「誘っていただいて、みなさんの役に立つようにっていうのと」
「獅子の保存会になるので、しっかり見せられたら」
■2人を肩車する「土台役」
この日は初めて、「三人背継」の通し稽古が行われました。
中村さんが担当するのは、三人背継ぎの一番下、もっとも体力が必要とされる土台役です。
(廣島三人背継獅子舞保存会・多田卓治さん)
「もしキツかったら、ギブアップしてもいい」
■太鼓にあわせて通し稽古
太鼓のリズムに合わせて、いざ、通し稽古です。
一度目の持ち上げ、中村さん2人分の体重100キロを超える重さに、足元がふらつきます。
その直後の回転です。
これも、3人の息がうまく合いません。
さらに、2度目の持ち上げ、今度は獅子を解くタイミングがつかめず…。
「叩いて叩いて」
(保存会に加入した・中村 卓巳さん)
「やっぱり、上げる時とおろす時の合図っていうころが」
「まだ連携がうまく、初めてなんでとれてなくて」
「そこが重要かなと思います、圧力というか、重さがずっしりきて」
■欠かせないのは…
土台役には、腰を守るためのコルセットが欠かせません。
待望の新人に、先輩たちからもすかさずレクチャーが入ります。
「こうだとしんどいから、こういう風にあげる」
「(補助の人)が上げるときに合わせた方が」
(保存会に加入した・中村 卓巳さん)
「分かりました」
「タイミング合わせて」
指導を糧に、さらに追い込みの「三人背継ぎ」をもう1セット!。
「せーの!」
疲れがたまっているのにも関わらず、立ち上がりは完璧。
でも、肩車を解くタイミングは、まだ少し早いようでした。
息の合った回転のあと、演目3回目の最後の持ち上げに臨みます。
「せーの!」
■持ち上げに成功?
中村さん2回の通し稽古で、合計6回の持ち上げをなんとかやり切りました。
達成感に、思わず笑みが。
「ようまあ2回も」
(保存会に加入した・中村 卓巳さん)
「初めてにしてはいけました、なんとか」
「すごかった」
■「まずは興味を」
(廣島三人背継獅子舞保存会・多田卓治さん)
「いろんな人に見てもらって興味持ってもらえたら、参加してくれる人を増やしていきたいなと」
「大人も、子どもも、お祭りが好きで獅子が好きで」
「そういう方に、来てもらえれば」
■メンバーを募集中
ここにもまた伝統あり。
空高く獅子が天を衝くためにメンバー募集中です。
松茂町の「三人背継ぎ」獅子舞は、徳島市の夏の阿波阿波踊りにあわせ、8月12日アミコドームで午後6時30分から上演されます。
また、メンバーについては、インスタグラム「廣島三人背継獅子舞保存会」で呼び掛けているということです。
