14歳で悪性リンパ腫…それでも「神様に選ばれた」と笑った M-1芸人ジョックロック・ゆうじろーの原点
お笑いコンビ「ジョックロック」のゆうじろーさん(27)が15日、念願だった大分トリニータの試合前イベントに出演しました。かつて大分トリニータの育成チームに所属し、去年は漫才日本一を決めるM-1グランプリで決勝進出を果たす快挙を成し遂げましたが、その裏には病気と闘った日々がありました。
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「箸を扱うよりもボール捌きがうまい」
大分トリニータの試合前イベントでネタを披露した「ジョックロック」。ゆうじろーさんは「夢見てたピッチなんで、こうした形になりましたけど、とにかくうれしかった。ちょっと感極まりそうになりました」と語りました。
サッカーを始めたきっかけは、3歳年上の兄の存在でした。
「兄ちゃんがやっていたというのが一番大きいですね。一緒にボール蹴ってて、自然に入る感じになっていたというか、気づいたら入っていた感じですね」
ゆうじろーさんは小学生時代、大分県宇佐市にある「四日市南SSC」でプレー。現在イングランドでプレーする岩田智輝選手と同じ日に入団しました。岩田選手は2015年にトリニータでプロデビュー。横浜F・マリノスを経て海外に移籍し、今年はイングランド3部で優勝、ベストイレブンに選ばれています。
「家も近かったので一緒にサッカーを毎日してました。『スピードの智輝』、『テクニックのゆうじろう』って言われてましたから」と当時を振り返ります。
「スピードがあまりなくて、ドリブルやパスで勝負するタイプでした。小学校はフォワードでポストプレイとかよくやってたんですけど、結局中学で一番しっくりきたのは中盤のアンカーってポジションでしたね」
「コーチに『お前のボール捌きは箸を扱うよりもうまい』って言われたのが一番うれしくて、ずっと覚えてます」と、当時のコーチからの言葉を今でも大切な思い出として持ち続けています。
14歳冬に訪れた試練
中学時代には大分トリニータの育成チームに所属。順風満帆に見えたサッカー人生でしたが、中学2年生の冬、14歳の時に悪性リンパ腫を発症。長い闘病生活が始まりました。
「自分はここで終わるような選手じゃない、絶対プロサッカー選手になってやるんだっていう気持ちだけはむちゃくちゃあって、ポジティブに捉えてました」
「こういう病気の経験をする人って何万人に1人やから、逆に神様に選んでくれたというか、なんかチャンスもらってるんかもなと捉えて、なんか結構前向きにやってました」
闘病中も常に『早くサッカーをしたい』という気持ちで、病院内を歩いたり、握力の筋トレをしたりと、できる限りの努力を続けました。そんな彼を支えたのが、同じチームで切磋琢磨していた岩田選手でした。
「病気してた時もあいつだけ毎日メールをくれてて。当時は『あ、なんかいっつもくれるな』ぐらいやったんですけど、今思ったら、そんなやつあんまいないなと思って、根っからいいやつやなと思いますね」
岩田選手は『体調どう』と毎日聞いてくれたり、学校であったことを教えてくれたりと、彼の闘病生活に寄り添います。
夢の形を変えて新たな挑戦へ
高校2年の夏、一度はサッカーに復帰しましたが、抗がん剤治療の影響で膝を痛め、高校3年でサッカーを断念することに。夢だったプロサッカー選手への道を諦めざるを得ませんでした。
「いろいろ考えましたけど、一番大きかったのは智輝の存在があって。あいつがしっかりプロになって、むちゃくちゃ活躍してるところ見て、最初は本当に悔しいというか、『ああ、俺もあそこに立つ予定あったんになぁ』と思ってて」
それでもゆうじろーさんは、夢を“諦める”のではなく、もうひとつの好きなこと――お笑いの世界に挑戦することを決意しました。
「どうにかして智輝に勝てないかなとか思い、闘う場所は違いますけど、目立つという意味ではテレビだったり、そういうメディアに出る職業を考えました。そういえば俺サッカー以外で好きなもんってお笑いも結構好きやったなと、みんなに笑ってもらうのが好きだったし、芸人がいいかもと思って勝負することにしました」
お笑いの道を選んだことを岩田選手に報告すると、『ええやん』と背中を押してくれたといいます。
そして去年、結成わずか2年半でM-1グランプリの決勝まで進出する快挙を達成。岩田選手からは『決勝行ったな、すげえな!!!!!!』とLINEが届きました。
「あいつの口癖で、よく『まだまだこれからやから』って言うんですよ。それが僕もなんか無意識にうつってて、決勝行った時点でも、決勝行っただけやからって自分で言って。優勝してからやなみたいな、まだまだこれからやからと自然と言ってましたね」
念願だった大分トリニータのピッチに立ったゆうじろーさん。「やっぱ本当に誰でも入ることができるわけじゃないんで、特別な景色でしたね。選手はより歓声を浴びて本当にパワーもらえるって言ってますけど、本当だなと思いましたね」と、プロサッカー選手に近い経験ができたことに目頭を熱くしました。
「テレビつけたら映ってるぐらい、みんなに笑っていただける芸人になれたらいいなと思ってます」
病気との闘いを経て、夢の形を変えながらも前に進み続けるゆうじろーさん。これからも彼の活躍から目が離せません。

