見栄をはったり、他人と比べたりして落ち込むこともありますよね。かつて、そんな自分の生き方に悩んでいたと語るのは、60代YouTuberのライフさん。現在は嫉妬や孤独などの気持ちと上手につき合うライフさんに、「心の平穏をキープする極意」を聞いてみました。

見栄をはること、マウントをやめた

「あぁ、やってしまった。ろくでもないことを言ってしまった」

とある集まりで同年代のメンバーに少しはり合うような態度をとられた私は、いわゆるマウント合戦をしてしまったのです。若い頃はこうしたやりとりが当たり前のようにありましたが、そういう場から距離を置き、時間が経っていたにも関わらず、やってしまったマウント合戦。

家に帰って冷静になると、もうこんな思いはしたくないと思うほどの恥ずかしさに襲われました。年齢を重ねたことで、客観的に自分を見ることができるようになり、ようやく未熟さに気づけたのだと思います。

二度と同じことはしないと決心した私は、見栄をはることもやめました。すぐばれるし、自分を嫌いになることは目に見えていたから。

●「いいところ」をほめたら人間関係が円滑に

これからは、自分の自慢をするのではなく、相手のいいところをちゃんと言葉にしてほめようと思ったのもそのときです。お世辞は言えない性分なので、ほめるのはもちろん本当にいいと思ったことだけ。

すると「この人自分のことをちゃんと見てくれる人だ」と安心してもらえるのか、相手のほうから素の自分を見せてくれるようになってきて。どんどん人間関係がよくなってきている気がします。家族に対しても同じこと。ほめ言葉は「あなたのこと、いつも見ているよ」のサイン。夫や子どもにも私の思いが届いていますように。

孤独や嫉妬に悩むのはやめた

年を重ねることも悪くないなと思うのは、なにか困ったことが起きたときかもしれません。これまでに身についた自分なりの方法で対処できるたび、「年を重ねたおかげかも」と感じるのです。

だからこの先、再び孤独を感じることがあったとしても、うろたえることはないんじゃないかと思います。以前地域ボランティアに飛び込んだときのように、また新たな人間関係をつくれる場を探せばいいと、自分でわかっているから。

年々、心が揺らがないようになっているのは、これまでの経験が私を強くしてくれているからなんだと実感します。

●自分なりの対処法で穏やかな心をキープ

そういえば最近またひとつ、経験から身についたことがあるんです。それは、人をうらやむ気持ちとのつき合い方。

学生時代から、人に対して「うらやましい」と感じることはよくありました。きれいな人、頭がいい人、人気がある人…。クラスメイトを見ては、あんなふうになりたいなと思ったものです。

その気持ちの根底には、「どうして私がもっていないものを、あの子はもっているんだろう」と腹立たしく思う気持ちが潜んでいることがよくあって。その気持ちがなにかの原動力になればいいけれど、うらやんでいるままだと最悪の場合、相手との関係を壊してしまいかねません。

かつての私は自分がもっていないものを欲しがるばかりでした。でも、自分が置かれている場所にも幸せはいっぱい隠れているんですよね。人と比べる人生より、自分に満足して生きる人生のほうがずっといいなと気づけた今、人をうらやむ気持ちと上手につき合えるような気がしています。