新生ジュビロのトライする姿勢とフラットな競争意識。戦術理解だけでなく個の成長力も上げていくキャンプに
そうしたトライから断片的にでも成功体験が積み重なることが重要であり、ミスが起きればそれをサンプリングして、シンプルな技術のミスなのか、相手に誘導された結果のミスなのか、自分たちの連係面のミスなのか、そうしたことをミーティングや選手間のコミュニケーションで一つひとつ、解決していくのがキャンプの主目的だ。その意味では順調にチーム作りが行なわれてきていると言える。
キャンプの総仕上げとして行なわれる2月1日の清水エスパルスとの試合で、現時点の序列がおおよそ見えてくるかもしれないが、継続的に磐田を取材している筆者としても、現時点で誰がスタメン、誰がサブとは言い切れない状況だ。
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センターフォワードは“20得点以上”を目標にする渡邉りょうと大型FWマテウス・ペイショットがハイレベルな競争を繰り広げており、期待のFW佐藤凌我は2列目で、横浜F・マリノスでいうところの植中朝日のようなポジションでテストされている。
ウイングでは、左右で起用されている選手もいるが、ハッチンソン監督は「私が選手たちに求めていることは、チームスポーツでありながらも、個々が競争することを求めています。これは我々のフットボールをさらに前進させていくためには必要なことだと思っています」と語り、選手にはスタートの地点で、これまでの実績や前体制での序列をいったん捨てて、フラットに評価することを伝えているようだ。
J3のカマタマーレ讃岐から加入し、磐田で2年目となる川粼一輝は、J1だった昨シーズン、リーグ戦は1試合しか出場できなかった。右サイドバックからウイングにポジションを上げて、ジョルディ・クルークス、倍井謙、角らと激しく競争する状況にあるが、フラットな基準で評価されている感覚が強いという。
「元々、前をやっていたのもあって、違和感なくできてるので、良いスタートを切れてるかなという感じです」と川粼。もちろん、ここからハッチンソン監督の評価が起用法や開幕スタメン、ベンチ入りの有無に反映されていくが、チーム内の競争意識を促し、戦術理解だけでなく個の成長力も上げていこうというコンセプトが、強く伝わるキャンプになっているようだ。
取材・文●河治良幸
