【世界初】光量子計算プラットフォームに量子性の強い光パルスを導入 スパコンを超える光量子コンピュータへ突破口
●概要
近年、光の連続量方式での汎用的な計算を目指した光量子計算プラットフォームが目覚ましく進展し、量子コンピュータの有望な方式として期待されている。しかし、これまで実現されたプラットフォームは全て、行える演算の種類が「線形演算」のみに限定された不完全なものであり、この演算だけでは現代のコンピュータより高速に計算できないことが知られていた。
また、今回のプラットフォームで採用している光回路構成は拡張性に優れた独自方式であり、今後これを多数の光パルスを用いた計算ができるシステムへとスケールアップしていくことで、将来的にはスパコンを超える誤り耐性型万能量子コンピュータ実現へつながるものと期待されている。
●発表内容
●研究の背景
量子コンピュータは、量子力学に基づく新しい計算原理を用いた次世代のコンピュータ。現在、超伝導、中性原子、イオン、シリコン、光などさまざまなアプローチで量子コンピュータの開発競争が繰り広げられているが、その中でも、光を用いた量子コンピュータは有力候補の1つである。
光量子コンピュータは、他方式とは違ってほぼ常温常圧で動作し、高クロック周波数(演算処理1つ1つが高速)で計算できる上、光通信と容易に接続でき光量子コンピュータネットワークの構築につながるといった利点を持つ。特に近年、光の波に連続的な情報をもたせて計算を行う連続量の手法が目覚ましく進展し、連続量での汎用的な計算を目指した光量子計算プラットフォームが世界でいくつか実現されている。東京大学の武田准教授らの研究チームも、連続量の手法に基づく独自の光量子コンピュータ方式を2017年に提案し、2023年には3個の光パルスで計算ができるプラットフォームを実現するなど、世界をリードする研究成果を挙げてきた。
