ナインに胴上げされる東洋大姫路・岡田監督(撮影・北村孝紀)

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 「秋季高校野球近畿大会・決勝、東洋大姫路5−1智弁和歌山」(4日、ほっともっとフィールド神戸)

 決勝が行われ、東洋大姫路が5−1で智弁和歌山を下し、2007年以来17年ぶり4度目となる優勝を果たした。履正社を率いて2019年夏の甲子園優勝を果たした岡田龍生監督(63)が、22年4月の就任から3年目で初めて近畿の頂点に導いた。同校は20日に開幕する第55回明治神宮野球大会に近畿地区代表として出場する。

 3カ年計画で東洋大姫路・岡田監督が常勝軍団の礎を築き上げた。「思ったよりも早かったですね。本当に子どもたちに感謝です」。満面の笑みで宙を舞い、自らの手でつかんだ母校の優勝をかみしめた。

 両軍無得点の三回に打者一巡の猛攻で一挙4得点。守備でも無失策で守り切り、勝利をつかんだ。準決勝が雨天順延となった2日には履正社監督時代の、2019年春のセンバツ1回戦と同年夏の甲子園決勝での、星稜戦の映像をナインに見せて現ヤクルト・奥川を攻略した方法を伝授。好球必打の重要性を説き、打線活性化につなげた。

 就任3年目での優勝は、母校と履正社の伝統を巧みに“ブレンド”した手腕によるもの。守備、走塁、バントと東洋大姫路が築いてきた堅実な野球を基盤とした。「ベースは東洋の野球。そこに味付けしながら」。体重管理の徹底、打球速度の数値に目を光らせるなど、強打で鳴らした履正社で培ったノウハウを“スパイス”として使用。伝統を重んじながら新たな東洋の野球を形成した。

 「本当に後輩たちがよく頑張ってくれた。もっとレベルアップしたい」。次は神宮を制し、全国に名門復活をとどろかせる。

 ◆岡田 龍生(おかだ・たつお)1961年5月18日生まれ、63歳。大阪府出身。東洋大姫路、日体大で主将を務め、卒業後は鷲宮製作所でプレー。桜宮で2年間のコーチを経て、87年に履正社の監督に就任。甲子園は春夏通算13度出場。2014年、17年のセンバツで準優勝し、19年の選手権で初優勝。22年4月から東洋大姫路の監督に就任。