【これからの見通し】ドル高継続か、日銀総裁会見を確認、そのあとは米PCEデフレータなど確認

 この後の海外市場では、ドル高の流れが継続するのかを確認したい。10月の一方通行のドル上昇トレンドに対して米雇用統計や来週の米大統領選を控えた調整が入る可能性があり注意しておきたい。月末でフロー主導の展開となる可能性もあり、かなり神経質な相場地合いとなりそうだ。

 きょうは日銀決定会合で予想通り政策金利が据え置かれた。声明では「米国など海外経済や金融市場の動向を十分注視するとした一方で、見通し実現なら引き続き政策金利を引き上げる」と従来からの内容を繰り返した。そのなかで、「物価見通し25年度は上振れリスクのほうが大きい」との認識を示したことが新たな点として注目されている。このあとの植田総裁会見ではこの点についての質問にどのように答えるのかがポイントとなりそうだ。年内は政局不透明感もあって据え置きが続きそうだが、来年の早い時期の利上げが示唆されるようだと、いったん円買いに振れる可能性がありそうだ。

 日銀関連の動きが一巡したあとは、米経済指標が注目されよう。きょうはチャレンジャー人員削減数(10月)、雇用コスト指数(第3四半期)、個人所得・支出(9月)、PCEデフレータ(9月)、新規失業保険申請件数(10/20 - 10/26)、シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(10月)などが発表される。PCEデフレータ(価格指数)は前年比+2.1%、コア前年比+2.6%とそれぞれ前回から0.1%ポイントの伸び鈍化が予想されている。新規失業保険申請件数は23.0万件と前回の22.7万件から小幅に増加する見込み。予想から大きく離れた結果でなければ、指標結果に対する反応は限定的かつ一時的なものにとどまりそうだ。

 その他の経済指標は、ドイツ小売売上高(9月)、フランス消費者物価指数(速報)(10月)、ユーロ圏消費者物価指数(HICP・概算値速報)(10月)、ユーロ圏失業率(9月)、南アフリカ生産者物価指数(PPI)(9月)、南アフリカ貿易収支(9月)、ブラジル失業率(9月)、カナダ実質GDP(8月)などが発表される。

 発言イベント関連では、植田日銀総裁会見のほかには、パネッタECB理事、エスクリバ・スペイン中銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁などの講演やイベント出席が予定されている。米企業決算発表がたけなわとなるなかで、きょうはウーバー、コムキャスト、アップル、アマゾンドットコム、インテルなどが予定されている。
 
minkabu PRESS編集部 松木秀明