【潮書房光人新社】日本軍の”マル秘”「米軍撃退本」が復刊で話題騒然、その「ヤバすぎる中身」を明かす…!

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老舗軍事雑誌「丸」の版元、潮書房光人新社が戦後80周年企画として今春から刊行してベストセラーとなっているのが「復刻版 日本軍教本シリーズ」だ。日本軍の最強サバイバル術が記された“知る人ぞ知る本格本”がまさか復刊されたとあって話題になっている形だが、その第5弾がこのほど刊行されて再び注目が集まっている。

今回のタイトルは「『国民抗戦必携』『国民築城必携』『国土決戦教令』」(藤田昌雄・佐山二郎編)で、米軍の日本本土上陸を前提に、国民によるゲリラ戦の効率的な戦闘方法などを豊富なイラストとともに指南するものだから、注目が集まるのは当然だろう。

大日本帝国が滅亡する1945年に刊行された本土決戦マニュアルには、敵軍の戦車や大柄の「ヤンキー」撃退法をリアルすぎるぐらいに詳述しており、敗勢必死の中で追いつめられた日本側の実情も行間から伝わってくる。そんな歴史的資料としても貴重な内容を一部抜粋・再構成してお届けする。

表紙には「日本人が米兵に馬乗りになり喉元に…」

1945年に入り「本土決戦」が必至の状況になると、大本営陸軍部は国民による軍支援組織である「国民義勇隊」を敵侵攻に際して「国民義勇戦闘隊」に改編して軍の作戦支援に従事させるべく、小冊子タイプの本土決戦マニュアル「国民抗戦必携」を同年4月25日に関係部署に配布した。国民による国内ゲリラ戦遂行のための、表紙には国民服姿の日本人が米兵に馬乗りになり喉元に刃物を突き付けるイラストが載せられている。

新聞掲載版には「(1)恐れずに敵戦車に肉薄(2)練磨の挺身攻撃(3)われらの必殺戦法(4)決死必成の隠密行(5)隙を突く臨機応変(6)一挙に敵陣を覆滅(7)空挺殲滅は果敢迅速(8)我ら何も恐れず」の8回に分けて連載された。

手投爆雷なら戦車の横へ直角に、物陰から投げる

いずれも具体的だが、とりわけリアルなのは対戦車肉薄攻撃マニュアルだ。

「行動は絶対隠密でなければならぬ、体当たり瞬前まで発見されぬように潜行すること、攻撃は焦らず慌てず手投爆雷なら戦車の横へ直角になるよう物陰から投げ、火炎瓶ならば引火力を確実にするために機関部のある車背の空気孔を狙うのだ」

「敵の行動は戦車単独ではないからまず随伴歩兵を介し戦車を裸にする必要がある。そのため組の行動支援部隊が活躍する」

「突き」が一番。時には睾丸も蹴り上げる

白兵戦闘・格闘マニュアルも実践性に基づく内容だ。

「上背のあるヤンキーとの白兵格闘の要領は突きが一番だ。斬ったり払ったりすることは腕に自信のない限り致命傷を与えることは難しい」

「単独行動の敵ならばさっと背後から打ってかかれば必殺は容易だ。鎌の柄は3尺位が扱い良い」

「格闘になったら上から襲いかかる敵に対して身を沈めて水落を突いたり睾丸を蹴り上げたりする」

リアルな一人用散兵壕「蛸壺」の構築要領も

大本営陸軍部は同時期に、国民義勇隊専用の築城マニュアルである「国民築城必携」を発行した。記載内容は、具体的な国民義勇隊による陣地構築の手法と、敵上陸に際しての反撃部隊の道路通過時の支援方法が示されているほか、国民による国内ゲリラ戦の拠点構築方法や対戦車障害、対人障害の構築法が綿密に記されている。

例えば、「蛸壺」は一人用散兵壕の構築要領。円柱型の壕の周囲には、掘削した土をもちいて1メートルの幅で円形に胸土を設けるとともに、壕底部には砲爆撃を避けるための掩蔽棲息部分が設けられている。また、壕底部には排水対策としてバラス(砕石)や木を敷くとともに、対空偽装の設置が求められている。

さらに連載記事『日本軍「密林戦サバイバル本」が“まさかの復刊”で話題、その「生々しすぎる中身」を見よ…!』では、日本軍の知られざるサバイバル術を紹介しよう。

日本軍「密林戦サバイバル本」が“まさかの復刊”で話題、その「生々しすぎる中身」を見よ…!