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 ◇ワールドシリーズ第2戦 ドジャース−ヤンキース(2024年10月26日 ロサンゼルス)

 ドジャースの山本由伸投手(26)が26日(日本時間27日)、本拠でのヤンキースとのワールドシリーズ第2戦に先発登板。1―0の3回にフアン・ソト外野手(26)に同点ソロを浴びたが、許した安打はこの1本のみ。打線の援護に恵まれ、WSでの日本投手最長となる6回1/3を1安打1失点、ポストシーズン自己最多86球の好投で勝ち投手となった。WSで日本投手が勝ち投手となるのは2007年のレッドソックス・松坂大輔以来2人目となった。

 試合後、山本は中継したFOXの取材に応じ「初回からとにかく全力で入りましたし、みなさんの歓声で実力以上のものが出せたと思います」と振り返った。ソトに被弾した後の投球については「同点だったので、切り替えて次のバッターに向かいました」と説明。大観衆の前での登板については「凄く楽しみにしていましたし、とにかく勝つことができて凄くうれしいです」と話した。

 左肩を負傷した大谷については「状態はわからないです。戻ってくることを信じています」と話した。

 その後、NHKの取材にも対応。「とにかく今日の試合に勝てたので本当にうれしく思います。先制点を取ってもらえた。ホームランで追いつかれましたけど、冷静に投げることができました。しっかりストライクゾーンで勝負できたと思います」と振り返った。大舞台での好投には「たまたまです。運良くいいピッチングができました」と謙そん。大ファンの前での投球には「選手としても凄く幸せに思いますし、とにかくあと2つ全員で勝って応援してくれているみなさんにお返しというか、喜んでいただけたらと思います。あと2つどんな形でも全員で勝てるように。チーム一丸となって戦えていますし、この調子でみんなで頑張りたいと思います」と意気込んだ。

 先頭のトーレスにはカウント1―2と追い込んでから3球連続ボールで四球を与えた。2番ソトは遊ゴロに打ち取ったが、二塁E・ヘルナンデスが一、二塁間寄りに守っていたため併殺は取れずに1死二塁と得点圏に走者を進められた。それでも3番ジャッジ、4番スタントンの強打者を空振り三振、一飛に仕留め、無失点で切り抜けた。

 2回も1死後に6番リゾに四球を与えたが、その後は冷静に打ち取って走者を許しながらも無失点投球を続けた。その裏の攻撃でエドマンに先制ソロが飛び出し、1点の援護を受けた。

 しかし、3回2死走者なしからソトに手痛い一発を浴びた。カウント2―2から外角を狙った速球が内寄りに入り、右越えに同点ソロを浴びた。山本にとってはこの試合初の被安打が手痛い一発となった。

 打線がT・ヘルナンデス、フリーマンの2者連続本塁打で3点を勝ち越した。そのいい流れを受け、山本は4回はスタントン、チザム、リゾの強打者をこの試合初の3者凡退に抑えた。

 5回は先頭のボルピをスプリットで空振り三振。ウェルズを一ゴロ、バードゥーゴは左飛と2イニング連続で3者凡退に打ち取って試合のリズムをつくった。6回も1番から始まる好打順だったが、トーレス、ソトを簡単に打ち取って2死。ジャッジは空振り三振に打ち取り、80球で6回を終えた。そして、7回先頭のスタントンを二飛に打ち取ったところでデーブ・ロバーツ監督が交代を決断。ベンチに戻る山本にファンはスタンディングオベーションで好投をねぎらった。ファンからは「ヨシ」コールが送られ、ベンチでは大谷と笑顔でハイタッチをする場面もあった。

 ソトに一発を浴びた後は打者11人連続アウトと圧巻の投球。日本投手がWSで6回1/3を投げるのは、2007年の松坂の5回1/3を上回り、日本投手のWS最長イニングとなった。

 大リーグ公式サイトのXは、6月7日のヤンキース戦でも7回2安打無失点に抑えている山本の今季のヤンキース戦成績を紹介。この日と合わせ13回1/3を被安打3、自責1、奪三振11であることを伝え、日本語で「山本由伸の素晴らしいピッチング!」と快投を絶賛した。