神野琉衣「来季はジャズにも挑戦したい」山田葉月「ノリノリな曲をやってみたい」ノービスBラストの2人が初優勝【全日本ノービスB結果】
10月18日〜20日に兵庫・尼崎スポーツの森で行われた全日本ノービス選手権。
ノービス世代の日本一を決める今大会は、今年で28回目を迎える。
坂本花織、佐藤駿、三浦佳生、島田麻央ら世界で活躍するスケーターのほとんどが「全日本ノービス」の優勝経験者という、まさにトップスケーターへの登竜門となる大会だ。
先輩スケーターに続けと、今大会ノービスB男子、女子の結果を振り返る。
ノービスBラストの神野琉衣が優勝
ノービスB2年目の神野琉衣が初優勝(中部ブロック)。
「去年、回転不足だったダブルアクセルをクリーンに決められてうれしい」と、冒頭ダブルアクセルのコンビネーションジャンプを本人も納得のできで成功させた。
コーチでもある母の神野汐里さんが振り付けた『LOVE』の曲調に合わせて明るく元気な演技に会場も盛り上がりを見せ、シーズンベスト更新の66.83点をマークする。
ノービスAに上がる来季は、ジャズの楽曲に挑戦したいと話す神野。
技術面では、3回転ジャンプの習得に意欲を見せる。親子二人三脚で挑むノービスAでの活躍にも期待したい。
2位には平野勇都(はやと)、(関東ブロック)。
去年22位からのジャンプアップで表彰台入りを果たした。大躍進の要因を「ジャンプの回転の精度を上げることと、スケーティングを研究した」と本人は分析する。
大会4日前に背中と腰を打つアクシデントがあったため、予定演技構成にあったダブルアクセルを今回は回避した。
来季ノービスAでは、ダブルアクセルや3回転サルコウなど、跳べるジャンプの種類を増やしたいと意気込む。
目標の表彰台入りを達成した寺岡大粋が3位(近畿ブロック)。
3連続ジャンプを含むすべてのジャンプを着氷。『Smooth Criminal』をキレキレの表現力で滑り切った。
スケートを始めたきっかけである羽生結弦さんのような表現力を目指し、週1回のダンスレッスンに通っているという。
ヒップホップやマイケルジャクソンのダンスを学び培った表現力が演技にも活かされている。
将来やってみたいのは、憧れの羽生さんも滑っていた『オペラ座の怪人』や『白鳥の湖』。3回転ジャンプの習得にも意欲を見せている。
【ノービスB男子】
1位 神野 琉衣(名古屋FSC)66.83点
2位 平野 勇都(埼玉アイスアリーナFC)58.69点
3位 寺岡 大粋(京都宇治FSC)57.29点
4位 菊池 英仁(宮城FSC)56.89点
5位 今井 瑛太(神奈川FSC)56.87点
6位 有馬 瑛太(ROYCE' F・S・C)55.84点
自己ベスト更新の山田葉月が優勝
山田葉月(近畿ブロック)がノービスB初優勝。
13位に終わった去年からジャンプの安定感がアップ。柔軟性を活かした圧巻のスピンは3つすべてで最高評価のレベル4を獲得するなど、ノーミスの演技で自己ベストを更新した。
ブロック大会から10点以上スコアを伸ばし全日本ノービス初制覇となった。
先輩の金沢純禾からプレゼントされたという“すみこ”と一緒にインタビューに応じてくれた山田。
「優勝できてとてもうれしい。ノービスAにあがったらノリノリな曲をやってみたい」と語る、山田の来季の活躍にも注目したい。
2位に小関夏帆(東北・北海道ブロック)。
推薦選手として挑んだ初めての全日本ノービスは、演技冒頭に音楽トラブルに見舞われるも、集中力を切らすことなくすべてのジャンプを着氷させる。
自己ベスト更新の好演技で2022年の岡万佑子以来の東北・北海道ブロックからの表彰台となった。
ノービスAに上がる来季は、北海道勢初の全日本ノービス優勝へ向け練習に励む。
3位に日置優花(中部ブロック)。
柔軟性を活かしたキャンドルスピンが武器の日置は、本番前日にダブルアクセルを1本増やすことを決意し、見事ノーミスを達成した。
さらに3つのスピンでも最高評価のレベル4を獲得して自己ベストを更新。
「スピード・表現・ジャンプと全体的に成長したと思う」と12位に終わった去年から技を磨き、表彰台入りを果たした。
【ノービスB女子】
1位 山田 葉月(京都宇治FSC)72.72点
2位 小関 夏帆(ROYCE' F・S・C)68.30点
3位 日置 優花(名東FSC)65.06点
4位 越智 菜波(明治神宮外苑FSC)62.97点
5位 窪田 あこ(グランプリ東海クラブ)62.72点
6位 近藤 尚生(京都宇治FSC)62.23点