スポニチ

写真拡大

 【山手あかりのエキストラホール】男子ツアーも佳境に入り、残すところ4戦。賞金王争い、シード権争いが激化する中で、けがと向き合いながら懸命に戦っているのがツアールーキーの岡田晃平(22=フリー)だ。

 昨年行われたナショナルチームの合宿中に腰を痛め「椎(つい)間板ヘルニア」と診断された。初優勝が待たれる存在だが、けがの影響もあり、夏場には棄権を挟んで3試合連続予選落ちを経験。ツアー本格参戦1年目の今季は「なかなかフィーリングが合わない。けがしてかばっているのもあって」と本来の力を発揮しきれず、もどかしい日々が続いている。

 腰痛の影響をじかに受けたのは、生命線ともいえる平均飛距離300ヤードを超えるドライバーだった。パワフルなスイングが代名詞だが、「全然飛んでないので悲しくなります」と飛距離は約15ヤード低下。9月上旬までは、痛みのせいでラウンド後はクラブを握ることができず「ホテルに帰ってぼけーっとして。苦しかったですね」と本音をこぼした。

 苦しい状況だが、徐々に明るい兆しは見えてきている。オフには腰のヘルニア摘出手術を受けることも考えたが、「ヘルニアも自然に吸収してなくなるらしいのでそれを信じて」と保存療法を選択した。現在は治療とトレーナーのケアで、症状は徐々に改善。神経に麻酔薬を注入して痛みを和らげるブロック注射も定期的に打っており、「僕は尾骨くらいから打つやつ。それは普通の注射くらいでチクってするだけなので一番痛くない」と教えてくれた。

 現在は1日6時間打ち込みを行えるまでに回復し、練習できる喜びをかみしめる日々。飛ばし屋完全復活に向け「練習できるのはうれしい。練習しすぎて体が痛くならないかなっていう怖さもあるんですけど、とりあえず今はしっかり練習できています」とひたむきに努力を続ける。22年の日本アマチュア選手権では、東北福祉大の1学年先輩である蝉川泰果に競り勝って日本一となった実力者。どんな時でも明るく元気に振る舞うルーキーは苦難を乗り越え、きっとさらに強くなる。

 ◇岡田 晃平(おかだ・こうへい)2002年(平14)2月18日生まれ、高知県中土佐町出身の22歳。9歳でゴルフを始め、明徳義塾中高を経て東北福祉大に進み、3年時の22年日本アマで優勝。4年時には主将を務めた。23年12月にプロ宣言し今季からツアーに本格参戦。武器は飛距離と精度を併せ持つ1Wショットで、平均飛距離は約305ヤード。現在賞金ランク49位で、来季シード権はほぼ確実。プロ野球・広島のファン。1メートル73、75キロ。

 ◇山手 あかり(やまて・あかり)1999年(平11)1月7日生まれ、大阪府出身の25歳。8歳からゴルフを始め、大阪桐蔭高、名古屋商大ではゴルフ部に所属。2021年4月入社。デジタル部門を経て23年1月からゴルフ担当。ベストスコアは69。