中国物流業者 

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微信(ウィーチャット)アカウントの中越plusは16日、ベトナムで中国系電子商取引(EC)プラットフォームのTemu(テム)、SHEIN(シーイン)、Taobao(タオバオ)が市場を席巻していることに消費者は複雑な感情を抱いているとする同国メディアの記事を紹介した。

記事はまず、「Temu、SHEIN、Taobaoは低価格と送料無料のポリシーでベトナムに新たな波を起こしている。ベトナムの消費者は強く引きつけられていて、国内企業にとって大きな挑戦となっている」と伝えた。

記事によると、ベトナムのネット上には、安い商品を購入した喜びから品質の悪さによる失望まで、中国系ECプラットフォームでのショッピング体験を共有する投稿があり、保護政策がなければ、国内の中小企業は廃業を余儀なくされ、外資系企業だけが生き残り、輸入品に依存しているベトナムの消費者に困難がもたらされると懸念する意見が多い。

あるベトナムの消費者によると、ベトナムでベトナムの商品を購入する場合、配送に3〜5日かかり、ベビーシューズ1足に8万5000ベトナムドン(約510円)の送料がかかる。しかし、中国から商品を購入すると、配送は5日ほどで送料は無料だ。

ベトナムの商品を支持したくても価格差が大きい。ベトナムでプラスチック製キャビネットを購入すると価格は120万ベトナムドン(約7万2000円)するが、中国のものは86万ベトナムドン(約5万1600円)で購入でき、消費者がより安い選択肢を拒否することはほぼ不可能だ。

ベトナムの多くの消費者は、ベトナム企業が市場から排除されるのを避けるために今こそ変化すべき時だと認識している。

ベトナム企業の問題は、生産だけでなく運営システムや税制にも存在する。ベトナム国内の輸送コストは中国からの商品よりも高いため、国内企業はコストを最適化し、政府はタイムリーな支援策を講じる必要がある。中国のECプラットフォームとの競争は大きな挑戦だが、ベトナムの企業にとっては成長のチャンスでもある。ベトナムの消費者が求めているものは、低価格、送料無料、迅速な配達、商品の質だ。

専門家らによると、今後一定期間はベトナムの企業にとって厳しい時期になるとみられる。市場に参入するプレーヤーが増えることで市場はより刺激的になり、価格や商品の選択肢が増えるため、消費者に一定の利益がもたらされる。しかし、中国系大手ECプラットフォームがベトナム語版でベトナム市場に参入し、国内決済や宅配を受け入れるようになると、国内市場は大きな変化に直面することになり、特に国内メーカーや中小企業にとって大きな挑戦となる。予測されるリスクの一つは、ベトナムのサプライヤーや製造企業の大量倒産であり、従業員の失業につながる。経済だけでなく、盗難や治安の不安定化など、社会にも悪影響が及ぶ。ベトナム企業にとって、数万ドルを投資して製品を成形・生産することは、資本回収能力への懸念から難しい。しかし、中国企業は大量生産して世界中で販売するために多額の資本を費やす用意があり、ベトナム企業が大規模に競争するのは困難だ。(翻訳・編集/柳川)