◆デメリットと言われている部分については…

言葉の端々からデリカにゾッコンであることが伝わってくる。“弱点”はないのだろうか。

「他の車種に比べて車重があるのと、私のデリカはディーゼルなので初速が遅いですね。高速道路の加速も遅くて『頑張れ!』って思っちゃう(笑)」

ネット上でデリカのデメリットだと指摘される点についても聞いてみたい。まず、最近のミニバンは乗り降りがしやすい低床タイプが主流だが、デリカは原型が2007年のモデルであるため床が高い。

「確かに他に比べると高いですね。お墓まいりなどで祖父母と一緒に行動するときは、実家の車に乗ってもらったりしています。ただ、後部座席のスライドドアを開けると、低い位置に取手がついてるんですよ。子供はそこを掴んでよじ登っているので、普段は気になるレベルではないですよ」

次に、3列目のシートが床下への収納ではなく吊り下げ式で、シート自体も重いという点。細身のみちゃんさんだが、一人での操作は可能なのだろうか。

「日産のセレナやHONDAのステップワゴンより3列目のシートがしっかりしているので、確かに重いです。大変ではありますが、私でも一人でなんとか出したりしまったりはできます。むしろ、シートがしっかりしている分、乗ると3列目でも快適なんですよ」

◆なぜ「デリカで人生が変わった」のか

これほどデリカ愛の強いみちゃんさんは、「デリカのおかげで人生が変わりました」とまで話す。まずは、仕事について。

「元々は営業職で、朝から深夜まで働いていましたが、子供が生まれてからは、『この先働くとしたら、好きでもない仕事でパート勤務をするくらいかな』と考えていたんです。でも、デリカを買ってInstagramにデリカと自分の写真を載せるようになってから、私のファンになってくださる方が出てきて、ファンサイトを作って収益が出るようになったので、仕事も変わりました」

さらに、SNS上で人目に触れる機会が増えたことで見た目にも気を使うようになったという。家族はどういった反応をしているのか。

「数年前と比べても、今の自分のほうがいいです。人生で一番綺麗だと思います。家族も応援してくれていて、特に主人は、喜んでくれていますね。私が綺麗になっていくから(笑)。ファンサイトを始めるか悩んでいた時に、後押ししてくれたのも主人でした」

SNSでのフォロワー増加に伴って、イベント出演の機会も増加し、人前で話すスキルも身についてきたと話す。もし買い換えることになっても次もデリカにするのだとか。これほどまでに魅了される人のいる同車種、今後も好調な売れ行きが続きそうだ。

<取材・文/Mr.tsubaking>

【Mr.tsubaking】
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。