橋下徹「何でもかんでも自民党の逆張りでいいと思い込むな」…「内輪もめ」で「自滅」を繰り返す立憲民主党に橋下徹が「忠告」

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10月27日の総選挙で、日本人は自民党に「ある程度のお仕置き」をするだろうが、政権交代には至らないだろう。

なぜ、政治とカネであれほどの不信を生んだ自民党が、政権の座から転がり落ちることがないのか。

その理由を、もっともリアルに、もっともロジカルに、もっともドラスティックに解説するのが、維新の創始者・橋下徹氏だ。

選挙が近づくいま、橋下氏の『政権変容論』(講談社刊)を野党と国民が理解して受け入れたら、この国は確実に「良い方向」に変容するだろう。

『政権変容論』連載第42回

※この記事は選挙公示前(2024年7月19日)に発売された本からの転載です。

「それが大きな間違いなんです」…橋下徹が明かす、立憲民主党が政権奪取できない「たった一つの理由」』より続く

国民は「新しい国のカタチ」までは求めていない

-「政権交代」の一番の目的は「政策チェンジ」より「人のチェンジ」にある。前政権の不正や腐敗を正すことを、政権交代の至上目的とすべきだということですね。

橋下:民間組織だってそうですよね。社長が替わるたびに「これまでの方針を百八十度変えます」では、社員も顧客もステークホルダーもたまったものではありません。

通常は社長が替わっても、業態を一気に変えることなどしない。方向性や業態はこれまで通りで、それでも人が新陳代謝すれば、従来の体制で横行していた悪弊や腐敗が暴かれます。新風が入ることで改革が進むんです。

そしてそのような緊張感があるからこそ、現経営陣、現政権は不祥事を起こさないように最大限の注意をする。新陳代謝がなければ、人間なんてそんなに強くないので、不正に手を染め続けるでしょう。それは歴史が示す通りです。

民主党は「定まった方向性」がない

このことに野党も、そろそろ気づいたほうがいい。何でもかんでも政府与党と逆張りで違う道を提示しなくてはと、思い込まなくていい。むしろ、そうすることで国民を遠ざけてしまっていることに気づいてほしい。

なんだかんだ言って、自民党が選挙で勝ち続けている一番の理由は、「大筋の政策は、自民党でいい」と多くの人が思っているからです。野党は「今の自民党と違う国の姿を見せる」と言うけれど、正直な話、国民もそこまで劇的な変化は望んでいないんですよ。

-そのあたりに、民主党政権が長続きしなかった理由がある。

橋下:そうですね、それも理由の一つだと思います。ただ、民主党政権がわずか3年しか存続しなかった第一の理由は、「内輪もめ」です。

09年の民主党政権誕生以来、目指すべき方向性に迷走した挙げ句、意見の異なる人々の造反が続出しました。政権の座にあった3年間で、民主党を自ら離党した人や除籍された衆参両議員の数は100を超しています。これは異常でしょう。せっかく自民党の総崩れで棚からボタ餅式に政権奪取できたのに、完全に自滅してしまった。

では、なぜ意見が分かれたのか。その理由の一つが、まさに「これまでの自民党と違う国のカタチを見せる」ことに執着し、その方向性を巡る考えが対立して収拾がつかなくなったからです。

橋下徹「立憲民主党は口先集団」…「自民党に文句を言う」だけで「何も成し遂げていない」野党議員に苦言を呈す』へ続く

橋下徹「立憲民主党は口先集団」…「自民党に文句を言う」だけで「何も成し遂げていない」野党議員に苦言を呈す