[10.5 J1第33節 町田 1-4 川崎F Gスタ]

 FC町田ゼルビア在籍9年目、クラブの成長と共に歩んできた40歳のストライカーがついにJ1リーグ戦で結果を出した。

 FW中島裕希は0-0で迎えた前半13分、左サイドを抜けたMF藤本一輝の折り返しにペナルティエリア内で反応すると、思い切って右足を一閃。「一輝のところで裏が取れたので近くに行けばチャンスがあると思った。距離感にこだわった。ダイレクトで打ってくれというメッセージ性のあるパスを出してくれて、迷いなく振り抜けた」。強烈なシュートがゴール左隅に突き刺さった。

 中島にとってJ1リーグ戦でのゴールはモンテディオ山形時代の2015年以来9年ぶり。翌16年、当時J2復帰1年目だった町田に加入し、初年度から14得点を挙げるなど長らくエースとして活躍してきたストライカーが悲願のJ1カテゴリで結果を出した。

 もっとも中島はJ1リーグ戦の得点という結果については「あまり考えていない。町田が勝つために自分にできることを精一杯やろうと思ってカテゴリ関係なくやってきた」と言葉少な。前半のうちに逆転され、自身もハーフタイムで交代した末の1-4での大敗に「勝たなきゃ意味がない」と厳しく口にした。

(取材・文 竹内達也)