在宅勤務になったので実家へ戻ろうと思っています。かなり田舎なので車必須なのですが維持費がどれくらいか心配です。車を買うのと都内で家賃を払い続けるのではどちらが安いですか?

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コロナ禍以降に増えてきた在宅勤務では、会社に近い地域に居住する必要はありません。むしろ実家で仕事をすることで家賃負担もなくなり、同じ収入でも余裕が生まれる可能性があります。 しかし、公共交通機関が発達していない地域であれば、自家用車が必須となるので車の購入費や維持費の負担が増えます。 本記事では車の購入・維持費を都内の家賃と比べて、どちらが安いか検証します。実家暮らしを考えている人は参考にしてください。

車の維持費と都内の家賃どちらが安いかを比較

車の購入・維持費と都内の家賃を比較する上で、以下の条件を前提としています。
 

・車は地方ではある程度長距離に耐えられる車両が必要なので、軽自動車ではなく小型車を前提にする(1t、1000cc程度)
・車の購入はローンを前提として年間の費用を計算する
・実家では駐車料金は不要とする
・都内の家賃は一人暮らしを前提とした家賃の平均や相場を参考にする

それでは具体的に費用と家賃の相場を比較してみましょう。

 

車の購入費と維持費の相場

普通自動車(1t、1000cc程度)の購入費と維持費について、以下のとおりまとめました。
 

◆購入費
・車両本体……120~250万円
・法定費用(※1)……約40万円
・各種手数料(※2)……3万5000~9万円
・合計……最大299万円
※1 自動車税(種別割、環境性能割)、自動車重量税、自賠責保険料、消費税10%
※2 車庫証明代行手数料、検査登録手続代行費用、希望ナンバー申請代行費用、納車費用など
◆ローン
299万円を金利3%で5年払いとした場合の月額は5万3726円(年約64万5000円)
◆維持費(年)
小型自動車の維持費は、各種保険や税金、ガソリン代、メンテナンス費用を含めて年間25~53万円程かかります。

上記から購入費をローン利用した場合の年間返済額と維持費を加えた金額の合計は89~117万円かかることになります。

 

都内で家賃を払い続ける年間コスト

都内23区内、一人暮らし向けの物件を対象として調べた家賃相場は以下のとおりです。
 

◆ワンルーム……6万5000~10万円
◆1K/1DK…… 7~11万円

上記から年間の家賃相場は78~132万円です。相場に大きな差があるのは区やエリアによって大きく異なるためです。

 

車の購入費・維持費と都内の家賃相場を比較

車の購入・維持費と都内の家賃相場を年額で比較すると以下のとおりとなりました。
 

・車の購入と維持にかかる費用……89~117万円
・都内の家賃相場……78~132万円

最大の費用で比べると、車の購入費・維持費のほうが安いことが分かります。反対に最小の比較では車のほうが高くなりますが、一般的に家賃相場の最低額よりさらに安くなることはほとんどありません。
一方で車両の購入はエコカーを購入して各種税金をおさえる、ローンの期間を長くする、軽自動車にするなど購入・維持費をおさえる方法はいろいろあります。トータルで考えると都内の家賃負担のほうが大きいと言えます。

 

実家に戻るメリットとデメリット

実家で暮らすメリットとデメリットは以下のとおりです。
 

◆メリット

・家賃や生活費の節約……家賃がかからないため、貯金や趣味にお金を回せる
・家事負担が軽減される……家族がいるため、家事を分担できる場合が多い
・安心感とサポート……家族の支えがあり、困ったときにすぐに相談できる環境がある

 

◆デメリット

・プライバシーの制限……家族と生活するため、自由度やプライバシーが制限される
・自立心の欠如……親・家族に頼りすぎて、自分で生活する力や責任感が育ちにくい
・人間関係の摩擦……家族との意見の食い違いなどでストレスがたまりやすくなることがある

 

実家に戻る場合、コストはもちろんメリット・デメリットも考慮しよう

実家で車を使用する場合の費用と、都内で一人暮らしする場合の家賃を比べると、居住するエリアや車の車種によって違いはありますが、実家で暮らすほうがコスト面でのメリットがあります。
一方で、実家暮らしにも主に人間関係の面でデメリットもあるので、どちらにするのかはメリット・デメリットをよく考えてから決断しましょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー