なぜあの人は許されたのに、彼は許されなかったのか?…「浮気・不倫をしても許される男性たち」が持っている、ある驚くべき「共通点」

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現代の日本では、有名人の不倫が、時に政治・外交の諸問題や経済動向よりも深刻に報道されるという異常事態が続いている。その熱烈さとは裏腹に、日常会話のレベルでは、恋人が既婚者であることや、配偶者や子供がいても恋愛活動に忙しいことなどが、時に罪の意識とは無縁にカジュアルに語られる。

作家の鈴木涼美さんによれば、「不倫」をしてもパートナーに許される男性には、ある共通の「特徴」があるのだという。

本記事は、注目の新刊『不倫論 この生きづらい世界で愛について考えるために』より一部抜粋・編集してお届けする。

許される不倫男とは誰なのか

Mr.Childrenが十二年ぶり二度目の紅白出場を決めた2020年末、個人的には4年ぶり二度目をキメた元衆院議員の不倫報道の方が気になっていた。

「イクメン議員」を謳っていただけに、議員辞職までせざるを得なかった4年半前のスキャンダル以降、ワイドショーや雑誌インタビューではお調子者のオシドリ夫婦っぷりが人気を呼び、同年十月には騒動を乗り越えた妻の著書が話題となっていた。

その名も『許すチカラ』。そんな力は女としてはあんまり発揮したくないが、妻を持つ男としてはぜひともパートナーに持ち合わせてほしいのであろう。

今回のスキャンダル以降の夫婦の雰囲気を覗いても、「やっぱり人生を楽しむ鍵は、許すチカラを持った女性をゲットすること」と確信した殿方も多いのではないか。

確かに、男にとっても女にとっても、自分がどんな人間であるのか、どんな価値観で何を信じ、何を尊び何を軽蔑しているのか、簡単に言えば「Who I am」をよく理解してくれるパートナーを見つけることは、ありのままの自分で生きていく上でとても有利にはなる。

「自分を犠牲にしても いつでも 守るべきものは ただ一つ君なんだよ」なミスチルに惚れ込むのかそんな重い自己犠牲からは逃げたくなるのか、「女好きは 俺らの悪い癖 でも 遊びなんかじゃないよ」の長渕にキュンとするのか、昭和を引きずった身勝手さに呆れるのか、「行かないでね 何処にだってあたしと一緒じゃなきゃ厭よ」の林檎を可愛いと思うのか邪魔くさいと思うのか、「見知らぬ人でも かまわないから ふるえるこの肩どうぞ 抱きしめて欲しいの」な静香が愛おしいのか不潔で優柔不断に感じるのか、そのあたりの価値観が合わないと、どちらかが息苦しくなり、どちらかが不安を募らせる。

ただし、人という字は二つで一つなので、許すチカラは許されるチカラとともにあって初めてそのチカラの真価が発揮されるのは言うまでもなく、というかそこが一番大事なのだけど、どうも男は都合よく、女の器と世間の器こそ重要だと信じがちなのだ。

“許されがち”な男に共通する最も大きな特徴

彼女が厳しいから、時代が不寛容だからと言う前に、自分のそのあたりを見直したらどうかと本気で思う。女の方だって、浮気一つで世界が終わるとは滅多に思っちゃいないが、世界を終わらせる浮気もあるとは大概思っている。

相手の器量で人生が変わるというのは、半分は本当だが、半分しか本当ではない。浮気していることが判明している知人男性たちの顔を思い浮かべて、もしパートナーにバレたら世界が終わるであろう人物と、バレたところで終わるのはせいぜい一晩の安眠くらいだろう、あるいはもう何度かバレているが割と無傷である、という人物というのは結構明確に分けることができる。

そして、それはたとえば当該男性がメディア露出するような著名人である場合に、世間に許されるかどうかと多少重なるがイコールではない。で、週刊誌に報道される可能性が低い多くの人たちにとって気になるのは、世間というより自分の家庭において抹殺されることだろうから、ここではひとまず社会的生命の話はおいておくことにする。

さて、あくまでパートナーに許されがちな男に共通する最も大きな特徴は、 ある場面で悪者になりきる、もしくはある人物にとっては悪者になりきる度胸があるということなのである。

多くの「許されたい男」は、許されたいがゆえに、悪者になりきれず、いい顔をしがち、いい男ぶりたがるという性質を持つが、要は本来的な意味で許されるチカラを持つ男は、「誰に許されたいのか」 を明確に言える男である。

J-POPついでに「人はどちらにつくかで見方が変わってしまう あれは 身を引いたのか それとも 逃げ出したのか」と歌ったのは大黒摩季なのだけど、一対一の関係が基本的構造の恋愛関係においては、それを三角にした途端に、 Aの位置に立つかBの位置に立つかでCの印象は真反対になるものである。そして、できればそれを平準化して、どちらにも悪くない印象を持ってもらおうとした途端、両者からの印象は地獄のように悪くなる。

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後編記事「浮気した男性が絶対に口にしてはいけない「言葉」とは?…不倫している男性の上位1%しか知らない難しすぎる「テクニック」」に続く。

浮気した男性が絶対に口にしてはいけない「言葉」とは?…不倫している男性の上位1%しか知らない難しすぎる「テクニック」