世界市場に羽ばたく、中国山東省平度市のつけまつげ産業

ライブスタジオで、新発売のつけまつげをオンライン販売する配信者。(資料写真、平度=新華社記者/馮媛媛)

 【新華社青島9月22日】中国でここ数年、見た目の美しさを追求するさまざまな行動が経済を活性化させる、いわゆる「顔値(顔面偏差値)経済」が成長する中、つけまつげが美容に関心の高い人々の人気を集めている。しかし、世界のつけまつげの70%が中国東部にある山東省の小さな都市、平度市で生産されていることはあまり知られていない。

 同市のつけまつげ産業は1970年代に始まり、40年余りの発展を経た今では市内のつけまつげメーカーは3895社、加工拠点は2万カ所以上に達し、年間で3千種類以上の製品を生産している。現在、同市のつけまつげの生産量は中国の80%、世界の70%を占め、年間生産額は100億元(1元=約20円)に上る。

世界市場に羽ばたく、中国山東省平度市のつけまつげ産業

山東省平度市で建設中の青島メークオンライン新経済産業パーク。(資料写真、平度=新華社記者/配信)

 市内の同和街道にあるつけまつげメーカーでは、周辺の村から来た女性たちが韓国からの受注を分業体制で生産しており、10近い工程を経て完成した製品が生産ラインから次々と生み出されている。総経理の唐珍斌(とう・ちんひん)氏は「今回は約20万箱受注した。生産計画は既に来年初めまで埋まっており、主に日本や韓国から注文が来る」と紹介した。

 つけまつげの製造工程は緻密で手間がかかる一方、技術的なハードルは低く、市場競争は日増しに激化している。同市のつけまつげ産業従事者は既に製品のイノベーションやブランド構築を始めている。地元のつけまつげメーカーの王海波(おう・かいは)総経理によると、2〜3カ月に1種類のペースで新製品を開発しているという。

 つけまつげ産業を健全かつ持続的に発展させるため、地元政府は政策や財政、税制、人材などの支援を引き続き強化し、メーク分野のオンライン新経済産業パークや美容支援産業パークなどを計画、建設し、つけまつげ・メーク産業クラスターの発展や質の向上、効率を促進している。

世界市場に羽ばたく、中国山東省平度市のつけまつげ産業

山東省平度市にあるつけまつげメーカーで、製品を製造する従業員。(資料写真、平度=新華社記者/馮媛媛)

 平度市の重要プロジェクトに位置づけられている青島メークオンライン新経済産業パークの建設は既に最終段階に入り、10月の運営開始を予定している。パーク運営部の責任者、潘薪宇(はん・しんう)氏によると、パークは敷地面積が308.5ムー(約20.6ヘクタール)で、メーク展示センターやインキュベーション研修センター、調達・貿易総合サービスセンター、スマート設備共同研究開発センター、物流総合サービスセンターを設置する。産業チェーン上流の全材料生産、中流の半製品加工、下流の包装と販売をカバーし、進出企業向けにワンストップサービスプラットフォームを構築するという。

 中国電子商取引(EC)大手アリババグループの国際プラットフォームが発表したデータによると、世界のつけまつげ市場規模は2029年に143億8700万元に達するという。(記者/馮媛媛、朱暁光)