マンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督【写真:ロイター】

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プレミアに加えFA杯、カラバオ杯、CL、クラブW杯に参加できなくなる可能性も

 イングランド1部マンチェスター・シティは、2009年から2018年にかけて115件のファイナンシャル・フェアプレー(FFP)違反を犯した疑いがかけられている。

 英紙「テレグラフ」は、イングランド1部プレミアリーグだけではなく、すべての大会から追放される可能性があると報じている。

 マンチェスター・シティはFFPで違反が認められた場合、プレミアリーグはもちろん、FA杯、カラバオ杯、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)、FIFAクラブワールドカップ(W杯)からも締め出される可能性があるようだ。

 シティには115件から130件のFFP違反の可能性が指摘されており、プレミアリーグの他クラブは、彼らが有罪になった場合に一度の勝ち点剥奪だけでは不十分だと考えているという。

 世界で最も裕福なリーグであるプレミアリーグからの追放は、厳しい制裁を求める他クラブにとっては満足のいく判決かもしれないが、同時にリーグ4連覇中で他のカップ戦でも結果を残しているクラブの追放は、英国サッカー界に混乱をもたらすと記事では指摘している。

 FA杯には第31条に「クラブが大会への参加を認められたとしても、出場するリーグから除外された場合に、クラブを大会から除外する可能性がある」という項目があり、カラバオ杯にも「リーグのクラブとプレミアリーグのその時点のクラブ」という規定があり、プレミアリーグからの追放は国内カップ戦の追放にもつながる公算は高いようだ。

 さらに複雑なルールのあるCLについても、UEFA主催大会に出場するためにはUEFAクラブライセンスが必要になるが、UEFA、FA、プレミアリーグのいずれもがライセンスの管理で役割を果たしているため、UEFAクラブライセンスを得られない可能性もあるという。

 FIFAクラブW杯については、現時点で不透明な点が多いというが「いずれにしても、シティが国内サッカーから追放となれば、彼らがCLやクラブW杯を戦うのは、長い空白期間が生じることを考慮すれば、非常に困難だろう。また、シーズン終了後に追放される可能性のあるクラブが、大会で優勝することはライバルクラブやそのサポーターにとっても不愉快だろう」と、シティがタイトル争いをしていた場合、今シーズンの終盤にも影響を及ぼすことを危惧した。

 シティはプレミアリーグの告発を受けても、不正はしていないという姿勢を崩しておらず、「反論の余地のない包括的な証拠」を有していると無罪を勝ち取ることに自信を見せて「この問題が完全に終結することを期待する」と声明を発表している。欧州を代表するクラブの1つとなったシティだが、「世紀の裁判」とも表現されている今回の裁判は、どのような決着を見るだろうか。(FOOTBALL ZONE編集部)