巨人・井上温大は「勝てる投手」になった…宮本和知氏「今永を見ているよう」
◆ＪＥＲＡ セ・リーグ 広島２―８巨人（２０日・マツダスタジアム）
井上は「勝てる投手」になったなぁ。４回、先頭・秋山の安打は２ストライクからで、小園の適時打も１ストライクから。いい当たりではなかったけど、ピッチャー有利のカウントからヒットを許して、すごく嫌な流れだったけど、３三振で最少失点に食い止めた。それは、この回あたりから全ての球種が勝負球に使えるようになっていたからなんだ。
序盤はスライダーが浮いていたけど、徐々に決まり始めた。回を追うごとに全部の球種が良くなっていった。勝利投手の権利がかかった５回には１５１キロ。ギアの入れ方も含めて、勝てる投手に成長したよ。
投げるだけじゃない。２回はけん制で走者を刺して、３回のバントは自らのフィールディングで併殺にした。このシーズン最終盤、野手陣が走塁からリズムを作る場面が目立つけど、投手もこうして流れを作ることができるんだ。
それにしても、左打者の内角を攻める姿、ベース盤を広く使う投球、回転数の多いストレート…まるで今永（現カブス）を見ているようだった。オフには一緒に自主トレをやっている師匠に、近づいていっているよね。（スポーツ報知評論家・宮本 和知）
