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 小泉進次郎元環境相(43)が本命視されている自民党総裁選(27日投開票)は、分からなくなってきた。日本テレビが実施した党員・党友調査(12日実施)で、高市早苗経済安保相(63)が追い上げ、首位の石破茂元幹事長(67)に次ぐ2位に浮上。上位2人による決選投票のカードは見通せない。

【写真】自民党総裁選候補9人の「推薦人名簿」で見えた“裏金隠し”と旧民主党系議員の悲哀

 日テレ調査によると、石破、高市、進次郎が他を引き離し、トップ集団を形成。それぞれ25%、22%、19%の支持を集めた。当初は進次郎vs石破の構図で決選にもつれ込み、党内きっての人寄せパンダの進次郎が逃げ切るとみられていたが、横死した安倍元首相の後継を自任し、保守層に訴える高市が猛追している。

「一回り以上も若いタカ派の(前経済安保相の)小林鷹之氏(49)が一番乗りで手を挙げ、高市氏は推薦人集めで苦戦した。若手を中心とした〈古い右翼を一掃して保守の顔を刷新させたい〉という思いは強い。ただ、地方では高市氏の名前が浸透している分、しぶとい」(ベテラン議員)

■女性議員は遠巻き

 焦る高市の戦い方はえげつない。「カネのかからない総裁選」を掲げる総裁選挙管理委員会による告示前の文書郵送を禁じる通知に先んじて、全国の党員らに政策リーフレットを郵送。他陣営から「卑怯だ」と猛批判され、選管から注意された。幸先が悪いが、陣営に「選挙の神様」を迎え入れ、逆転を狙う。

「7月の東京都知事選で石丸伸二氏(42=前広島県安芸高田市長)を次点に押し上げた選挙プランナーの藤川晋之助氏が1週間ほど前から加勢しています。力強い援軍を得たと陣営は大いに盛り上がっている」(自民党関係者)

 もっとも、やたらに拳を振り上げ、好戦的な高市は同性からの支持はイマイチ。推薦人に名を連ねたのは、差別主義者の杉田水脈衆院議員(57)、日本会議とベッタリの有村治子参院議員(53)の2人だけ。メンズクラブ化した石破や林芳正官房長官(63)よりはマシかもしれないが、女性議員の浮動票は上川陽子外相(71)に流れそうな展開だ。山東昭子前参院議長(82)や今井絵理子参院議員(40)ら、重鎮から若手まで7人が推薦人に名を連ねた。

「生まれ変わった自民党をアピールする総裁選なのに、ゴリゴリの高市サンに女性議員を代表されたらたまりません。上川さんは政策の勉強に熱心だし、公務を抱えながら一人一人に電話し、支持をお願いしていた。最終的に麻生派が人を貸してくれて本当によかった」(中堅女性議員)

 初の女性首相誕生への道のりは遠い。