「南くんが恋人!?」公式Instagramより

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 テレビ朝日の連ドラ「南くんが恋人!?」の視聴率が低迷している。最近は2〜3%台をうろついており、今期のゴールデン・プライム(GP)帯のドラマでは「ビリオン×スクール」(フジテレビ)とともに低視聴率争いを繰り広げている状況だ。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)

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 高校3年生の南くんと、突然、身長15cmになってしまったちよみとの同棲生活を描いた、内田春菊の恋愛漫画「南くんの恋人」(青林工藝舎)がドラマ化されるのは今回が5度目だ。

 中でも人気だったのは、1994年に高橋由美子(50)と武田真治(51)が演じた「南くんの恋人」(テレ朝)だ。2004年には深田恭子(41)と二宮和也(41)のコンビで“テレ朝版”の第2弾が放送され人気を博した。さすがにテレ朝も、3度目のドラマ化ともなるとそのままではいけないと思ったのか、それとも多様性の時代を意識したのか、ヒロイン・ちよみではなく南くんが小さくなる男女逆転バージョンの「南くんが恋人!?」が制作されたのだ。芸能関係者が言う。

「南くんが恋人!?」公式Instagramより

「初回視聴率は4・6%でスタートし、第4話で2・8%にまで落ち、第5話が3・8%、第6話が3・9%、9月3日放送の第7話が3・8%という状態です。通常なら打ち切られても仕方ないレベルですが、テレ朝局内に慌てた様子はないそうです」

歴代「南くんの恋人」

 デイリー新潮は7月30日配信の「【南くんが恋人!?】高橋由美子と武田真治が懐かしい…『VFX全盛の時代に、映像がショボすぎる』」で、令和の「南くんが恋人!?」のほうが平成の「南くんの恋人」より合成映像がショボいと報じた。

新作で旧作を宣伝

「ちよみが作った浴衣を小さくなった南君が着るシーンがあるのですが、その浴衣の柄が実際とは違って見えるなど、とにかく合成映像の雑さが目につくんです。とても大画面のテレビでは見ていられません。もっとも、スマホでの視聴だとそれが気にならないのか、TVerやABEMAなどの見逃し配信の総再生数は、第2話までで440万回を突破したそうです」

 配信で稼げるので、テレ朝に焦りはないというわけか。

「それだけではありません。テレ朝の定額制動画配信サービスのTELASAでは“『南くんが恋人!?』放送記念!”と称してテレ朝版の過去の『南くんの恋人』を配信しています」

 TELASAを覗いてみると、確かに高橋&武田バージョンと深田&二宮バージョンが配信されている。今回の「南くんが恋人!?」には武田も出演しているので交渉しやすかったのだろうが、二宮の旧作が配信されるのは珍しい。

「テレ朝は今回のドラマ化に合わせて、二宮バージョンのTELASAでの配信を二宮本人と旧ジャニーズ事務所(STARTO ENTERTAINMENT)に打診、するとあっさりOKが出たそうです。TELASAでの旧作配信が好評のため、今後はU-NEXTなど他のプラットフォームにも販売していく予定だそうです。だからテレ朝は、「南くんが恋人!?」の視聴率が低迷していても落ち着いていられるというわけです」

 新作が旧作の宣伝になったというわけだ。今回、GP帯の連続ドラマ初主演を掴んだ飯沼愛(21)は頑張っているのに……。

TBSでデビュー

「彼女はこれまでTBSのドラマばかりに出演してきましたからね。というのも、彼女がデビューを決めたのは2021年の『TBSスター育成プロジェクト 私が女優になる日』で、約9000人の中から1位に選ばれた。この公開オーディションはTBSと作詞家の秋元康氏、そして芸能事務所の田辺エージェンシーがタッグを組んだプロジェクトでした。もちろん彼女は田辺エージェンシーの所属となり、優勝者にはTBSの連ドラ『この初恋はフィクションです』で主演デビューが約束されていました」

 21年10月期の深夜ドラマ「この初恋はフィクションです」で主演デビューした飯沼は、22年7月期の深夜ドラマ「パパとムスメの7日間」(TBS)でも主演を務める。「パパとムスメの7日間」というタイトルには聞き覚えがある。

「舘ひろし(74)と新垣結衣(36)が父娘役を演じた07年の『パパとムスメの7日間』(TBS)をリメイクしたのが飯沼の『パパとムスメ〜』でした。こちらは深夜なので、それほど話題にもなりませんでした」

 飯沼はリメイクドラマと縁があるようだ。昨年5月には、初めてテレ朝のドラマ「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」に出演している。

焦りと忖度

「第4話だけのゲスト出演だったのですが、当時、テレ朝は“「私が女優になる日」初代グランプリ・飯沼愛が今夜登場!!”と大宣伝していました。わざわざTBS主催のオーディション番組の名を挙げてまで宣伝したのは、田辺エージェンシーへの忖度でしょう。同事務所にはタモリさん(79)も所属していて、テレ朝にはタモリさんがMCの『ミュージックステーション』や『タモリステーション』など高視聴率の番組がありますから、おろそかにはできないのでしょう。実は今回の『南くんが恋人!?』の公式ページでも、テレ朝は彼女の紹介に『私が女優になる日』を挙げています」

《今作で主人公・堀切ちよみを演じるのは、今もっとも注目される若手女優、飯沼愛! 女優発掘・育成オーディション『TBSスター育成プロジェクト 私が女優になる日』で約9000人の中から1位に選ばれ、『この初恋はフィクションです』の主演で鮮烈なデビューを飾った飯沼。『VIVANT』や『マイ・セカンド・アオハル』(いずれもTBS)といった話題作への出演が続き、まさに“トップ女優になっていく”姿を華々しく体現してきました。》(番組公式ホームページより)

 ご丁寧にもTBSの番組を4本も挙げている。

「田辺エージェンシーは稼ぎ頭だった堺雅人(50)が独立し、もう1人の稼ぎ頭であるタモリさんも近年は『80歳で引退する』と言って仕事を減らしています。社長だった田邊昭知氏(85)が会長となるなど新体制となった田辺エージェンシーとしては、一刻も早く飯沼に育ってほしいという焦りがあるのかもしれません。そしてテレ朝としては、タモリさんに番組を辞めてもらいたくないという忖度も働いているのでしょう」

デイリー新潮編集部