渡辺大門氏、弥助の侍説と黒人奴隷の実態について語る

　株式会社歴史と文化の研究所の代表取締役・渡辺大門氏が自身のYouTubeチャンネルを更新し、「弥助は侍だったの？　黒人奴隷はたくさん日本にいたの？　もう一度考えてみました。」と題した動画で、弥助と黒人奴隷の実態について再考した。渡辺氏は視聴者からの多くの反響を受け、前回の議論を更に深めるため解説を行った。

　X（旧Twitter）上で拡散されている議論の背景にはゲームに登場する弥助が関係している可能性があると説明。「弥助は黒人奴隷だったのか侍だったのか、どちらとも言えない部分が多い」とし、史料に基づいて分析を行った。

まず、渡辺氏は「秀吉の時代には朝鮮からの奴隷がいたのは事実。しかし、アフリカから大量の黒人奴隷を日本に連れてくるのは現実的ではない」と指摘。その理由として「飯を食わせ、病気も治療しなければならない。コストが膨大だ」と説明した。一方、イエズス会の宣教師たちが必要な人数を日本に連れてきた可能性はあると述べた。

　さらに、渡辺氏は弥助についての記録を再検証。「『信長公記』は弥助が『黒坊主』として登場し、信長から非常に気に入られていた」とし、信長が弥助に腰刀を与えたことも強調した。しかし、「彼が侍だったかどうかは断定できない」との見解を示した。

　動画の締めくくりとして、渡辺氏は「黒人奴隷が日本に多数存在したというのは信じ難い」と断言しつつも、「今後の史料調査を通じて実態を解明する機会にしてほしい」と呼びかけた。また、「日本の人身売買の問題についても今後取り上げていきたい」と述べ、次回のテーマへの期待を寄せた。