8月18日、『アッコにおまかせ!』(TBS系)生放送の冒頭に、司会の和田アキ子がパリ五輪女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花(はるか)選手への“トド発言”に言及した。

 和田は、11日放送の同番組内で、寝そべりながらカステラを食す北口選手の姿について「トドみたい、横たわってるのが。かわいいな〜」と発言。そのことに、インターネット上では批判が殺到していた。

 まず第一声で「私ごとですが少し時間をいただきたいと思います」と神妙な面持ちで切り出した和田。そして、「動物に例える不適切な発言をしてしまいました。お詫びします」と謝罪した。

 和田はもともと、北口選手の大ファンであったと言い、メダル獲得時には「心から嬉しく思ってテレビで見て泣いたくらいです」と明かし、“トド発言”に至った経緯については「かわいいと思った瞬間に出た言葉が動物に例える言葉だったので、リスペクトが足らなかったと思っております。すみませんでした」と釈明した。

 謝罪は出演者全員が並び拍手で始まるオープニングの直後から始まり、約2分間は和田の表情と声のみが伝えられる内容だった。

「すぐに“流れ”を断ち切るように、今日の放送内容を紹介する明るい雰囲気のVTRに変わりました。

 しかし、VTR明けの最初のトピックが『南海トラフ巨大地震情報』に関する内容だったためか、MCの和田さん以外のスタジオ出演者たちの口は重たい印象でした」(芸能記者)

 そういったスタジオの雰囲気を視聴者も敏感に感じ取ったのだろう。放送中のX上には、スタジオに対して、こんな同情が相次いだ。

《アッコにおまかせがお通夜すぎてびびった》

《テレビから伝わってくる空気が最悪ww》

《アッコにおまかせ番組の空気重すぎるな》

《この地獄の空気からどうやって元気な雰囲気に切り替えるんだよ》

 前出の芸能記者がこう続ける。

「この日のスタジオ出演者は、もう一人の司会である峰竜太さん、勝俣州和さん、声優の木村昴さん、お笑いコンビ・さや香2人に初登場の『超ときめき宣伝部』の菅田愛貴さんというメンバー。

 いつもガヤを入れて盛り上げる“芸人枠”が、2024
年に東京進出したばかりのさや香でしたが、出演回数がまだ少ない彼らには、この空気をどうにもできなかったでしょう。さすがに可哀想に思えました」

 こんな事態を招かざるを得なかった背景を、ある制作会社プロデューサーはこう話す。

「和田さんの謝罪は通常放送とは完全に切り離されていましたが、峰さんや準レギュラー陣がなにかフォローを入れれば“身内擁護”といった批判も出かねません。それを避ける意味合いがあったんだと思います。

 皮肉にも、この日の番組を救ったのも“金メダリスト”だった印象です。番組中盤からレスリング男子グレコローマンスタイル77キロ級で金メダルを獲得した日下尚(くさか・なお)選手がゲスト出演したのですが、かなりバラエティ対応が上手で、場を盛り上げてくれましたね」

 バラエティ番組構成に関わる放送作家は、別の謝罪方法もあったと指摘する。

「『アッコにおまかせ!』は和田さんをはじめ、各出演者が時折、脱線を挟みながら時事ニュースを取り上げるエンタメ色の強い番組です。和田さんの発言は、ネットニュースの切り取りによって炎上した側面もある。今回のような、あらたまった形ではなく、周囲にいた峰さんや勝俣さんのフォローを交えながら経緯を説明してもよかったかもしれません」

 ただ、いずれにせよ、不適切な発言自体が起こらないことが第一の優先事項だろう。