「なぜ進」で渡り合えるのか…ポスト岸田で“本命視”小泉進次郎に懸念される「進次郎構文」外交

写真拡大 (全2枚)

永田町ではお盆休みを早々に切り上げ、“ポスト岸田争い”がスタートした。

岸田文雄首相は8月14日、秋の自民党総裁選への不出馬を電撃表明。会見で

総裁選では自民党が変わる姿、新生自民党を国民の前にしっかりと示すことが必要になります。その際、変わることを示す分かりやすい最初の一歩が私が身を引くことです。私は来たる総裁選には出馬いたしません」

と述べた。

これを受けて永田町は蜂の巣をつついたような大騒ぎに。政界関係者は、

「少し前まで岸田首相は総裁選出馬にやる気を見せていた。それが突然の翻意。『岸田のままでは選挙は戦えない』という声が多く、最後は党内圧力に屈したのだろう。それにしても突然だった」

と話す。ポスト岸田をめぐっては、石破茂元幹事長に河野太郎デジタル相、茂木敏充幹事長、高市早苗経済安保相、上川陽子外相、若手では小泉進次郎元環境相や「コバホーク」こと小林鷹之元経済安保担当の名前が挙がる。

本命不在の大混戦。言い方を変えれば、誰がなってもおかしくなく、国民無視の党内政争で決まる可能性が高い。

「各候補、一長一短といった具合です。石破さんは国民人気は高いが、党内人気が低い。河野さんは頭はキレるが、パワハラ気味の言動がウケが悪い。茂木さんは岸田首相を支えてきた人ですから、代わり映えという意味でどうか。上川さんは名前こそ上がれど、本人がノリ気ではない」(全国紙政治部記者)

そんななか、急浮上しているのが小泉進次郎氏(43)だ。父は言わずと知れた小泉純一郎元首相。妻は元フジテレビアナウンサーの滝川クリステルで、2人の間には1男1女がいる。

さらに後ろ盾は、麻生太郎氏と並ぶ“キングメーカー”の菅義偉元首相。さらに森喜朗元首相や引退する二階俊博元幹事長も一緒になって“担ぐ”といった情報もある。前出の全国紙社会部記者が明かす。

「ついに総裁選出馬に父・純一郎元首相のGOサインが出たとの情報も飛び交っています。また、進次郎さんは昨今の裏金問題とは無縁で、非主流派。まだ40代前半と若く、“新生自民党”をアピールするにはもってこいの人材だ」

ただ、永田町での盛り上がりと、国民の反応は別モノだ。首相となれば、国内だけでなく、世界全体に目を配らなければならない。米大統領選ではドナルド・トランプ氏が再び返り咲く可能性がある。ロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席などと交渉を行う場面も出てくるだろう。

「進次郎さんといえば、同じ内容を何度も繰り返したり、ポエム的な言い回しが特徴的な話し方が有名。ネット上などでは“進次郎構文”などとイジられ、大喜利状態になったこともあります。

総理大臣となれば、国益守るために海外の首脳と“けんけんがくがく”の外交交渉をしなくてはならない。その際、“進次郎構文”が外交にどれだけ影響を与えるのかを考えると、ちょっと不安になりますね……」(テレビ局関係者)

ネット上では、

《進次郎がトランプやプーチンと渡り合える絵が思い浮かばない》

との声も多く、そもそも「なぜ進次郎?」を略して“なぜ進”状態だ。

「結局、自民党が次の選挙で勝てるかどうかしか考えていないんですよ。国民から不評だった岸田さんからのバトンタッチですから、誰がやっても支持率は一瞬上がる。自民党としてはその間隙を縫って『国民に信を問う』という名目で解散総選挙に持ち込み、勝ち切ることで一連の裏金問題などに区切りをつけたい。そのためには、進次郎さんクラスが丁度いいんです」(政界関係者)

とどのつまり、誰がやっても後ろに控える大物議員たちの“操り人形”にすぎないというわけか……。

野党は一斉に岸田首相の総裁選不出馬を批判し、年内の解散総選挙に警戒を強めている。国民はいつになったら“茶番”から解放されるのか−−。