南アフリカ・ケープタウンの私立女子校で、アパルトヘイト(人種隔離政策)時代の歴史の授業を受ける生徒たち(2019年3月5日撮影、資料写真)。(c)RODGER BOSCH / AFP

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【AFP=時事】南アフリカ・ケープタウンの学校で、生徒らが黒人のクラスメートを「奴隷オークション」にかけているとされる動画が拡散したのを受け、学校側が人種差別に基づくいじめ疑惑の調査を開始した。西ケープ(Western Cape)州教育局が26日、明らかにした。

 動画は通信アプリ「ワッツアップ」に投稿され、メディアにも取り上げられた。黒人の男子生徒少なくとも2人がフェンスで囲われたエリアの中に入れられ、「カラード(混血)」の生徒数人が競りをしているように見える。

 州教育局のブロナー・ハモンド(Bronagh Hammond)報道官は「常軌を逸する学校での奴隷制」と題された動画について、「有害で深く憂慮すべきだ」と述べた。

 学校は、人種差別に基づくいじめの疑いがあるとして調査を開始したという。

 ニュースサイト「ニュース24(News24)」によれば、ある母親は、息子も男子生徒グループにおりに入れられそうになったが、逃げることができたと語った。グループは黒人の男子生徒を捕まえ、おりに入れていたという。

「カラード」は南ア全体では人種的少数派だが、ケープタウンを州都とする西ケープ州に多く住んでいる。

 南アでは1994年に全人種選挙が行われ、アパルトヘイト(人種隔離政策)に基づく少数派の白人による支配が終わった。だが、それから30年たった今も、学校での人種差別は続いている。

 首都プレトリアの女子校でも今週、白人生徒12人が黒人のクラスメートに対し、ワッツアップで人種差別的な発言をしたとして停学処分を受けた。

【翻訳編集】AFPBB News

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