by Dick Thomas Johnson

オンラインショッピング業界では長らくAmazonがトップに君臨してきましたが、近年は中国発のショッピングサイトであるSheinとTemuが、価格の安さを強みとして世界中にシェアを拡大しています。そんな中、両社がデジタルサービス法(DSA)を順守しているかどうか調査するため、EUが正式な情報提供依頼書(RFI)を送付したことが発表されました。

Commission requests information from online marketplaces Temu and Shein on compliance with the Digital Services Act | Shaping Europe’s digital future

https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/news/commission-requests-information-online-marketplaces-temu-and-shein-compliance-digital-services-act



Temu, Shein ordered to provide info on EU tech rules compliance by July 12 | Reuters

https://www.reuters.com/business/retail-consumer/temu-shein-ordered-provide-info-eu-tech-rules-compliance-by-july-12-2024-06-28/

Following raft of consumer complaints, Shein and Temu face early EU scrutiny of DSA compliance | TechCrunch

https://techcrunch.com/2024/06/28/following-raft-of-consumer-complaints-shein-and-temu-face-early-eu-scrutiny-of-dsa-compliance/

中国発のSheinは低価格帯の女性向けファッション通販サイトであり、一方のTemuは中国製のインテリアや家庭用品の通販サイトです。両社は価格の安さをアピールポイントとして、日本やアメリカ、ヨーロッパ諸国を含む世界各国で急速に成長しています。

シェアの拡大に伴い、EU圏内でのSheinとTemuの月間平均利用者数はDSAの対象となる4500万人を超えました。このことを受けて、2024年4月にはSheinが、5月にはTemuがDSAの規制対象に指定されました。

これにより、両社はDSAに基づいた違法商品対策や未成年者の保護、レコメンドシステムの透明性確保、業者のトレーサビリティ、設計によるコンプライアンスなどが義務づけられ、違反した場合には年間売上の最大6%の罰金を科されることとなります。

そして現地時間の6月28日、EUの執行機関である欧州委員会が、SheinとTemuに対してDSAに基づいたRFIを送付したことを発表しました。この要求は消費者団体の苦情に基づいたもので、両社は7月12日までに情報を提供する必要があります。



Temuはロイターに対し、「私たちは事業を展開している市場に適用されるすべての法律と規制を順守するため全力を尽くしていると、改めてお伝えしたいと思います」とコメント。Sheinの広報担当者も、「欧州委員会から情報提供の要請を受けたため、私たちは速やかに対応しています」と述べました。

なお、SheinとTemuはアメリカ市場において、「800ドル(約12万9000円)未満の小包は関税が免除される」という抜け穴を使い、消費者に直接配送することで関税を回避しています。海外メディアのThe Informationは関係者の話として、Amazonも自社の割引セクションでこの抜け穴を使うことを計画していると報じました。

Amazon’s Bargain Store Would Use Same Trade ‘Loophole’ as Temu, Shein - The Information

https://www.theinformation.com/articles/amazons-bargain-store-would-use-same-trade-loophole-as-temu-shein