Windows 10およびWindows 11に標準で組み込まれているクラウドストレージサービスの「OneDrive」において、同期機能に加えてバックアップ機能が標準で有効化されるようになりました。

Microsoft now forces automatic OneDrive backups - feature enabled during clean Windows installs, users surprised with desktop icons and files | Tom's Hardware

https://www.tomshardware.com/software/windows/microsoft-now-forces-automatic-onedrive-backups-feature-enabled-during-clean-windows-installs-users-surprised-with-desktop-icons-and-files



記事作成時点で、新しいPCをローカルアカウントではなくMicrosoftアカウントでセットアップしてしまった場合には何の通知も許可も無しにOneDriveのバックアップ機能が自動で有効化されるようになっています。OneDriveはGoogleドライブやiCloudのようなクラウドストレージサービスですが、勝手にユーザーのデスクトップやピクチャなどのフォルダを共有フォルダに変更する上に無料分の5GBの容量を超えそうになると警告を出して課金へ誘導してきます。

「バックアップは自分でやるからOneDriveは要らない」と思ってOneDriveをアンインストールするとそれまで共有されていたファイルがなぜか削除されるなどのトラブルが発生しており、ユーザーの中には「マイクロソフト謹製ランサムウェア」と訴える人も存在しているほか、OneDriveを回避するためにローカルアカウントでのセットアップを訴えるポストがXで400万ビューを超えるなど、OneDriveはWindowsユーザーの憎しみを集めている様子がうかがえます。





Windowsのインストール時にローカルアカウントでサインアップするのにコマンドプロンプトを使用した特殊な手順を要求したり、Microsoftアカウントをローカルアカウントに切り替える手順の案内を削除したりするなど、Microsoftは自社のエコシステムにユーザーを取り込もうと懸命に努力していますが、こうした努力の方向性について、テック系ニュースサイトのTom's Hardwareが意見を述べました。

Tom's Hardwareは「公平に言えば」と前置きした上でOneDriveの長所を指摘。MicrosoftのOneDriveは年間2440円で100GBまで使用でき、月額400円(年間4800円)で200GBまで使用できるiCloudや年間2500円で100GBまで使用できるGoogleドライブと比較しても手頃なクラウドストレージサービスで、ファイルのバージョニング機能など機能的にも優れていることは間違いありません。

OneDriveに優れている点はあるものの、ユーザー獲得方法に問題があるのもまた確か。Tom's Hardwareは「ユーザーに料金を支払ってもらいたい場合は、強制するのは得策ではない」として、「少なくともOneDriveを有効化するかどうかをユーザーに尋ね、希望する場合にはOneDrive無しでセットアップできるようにするべきだ」と訴えました。