災害などで停電しても、家で電気が使えるように準備しておくと安心です。3年前に地元工務店で家を建てた日刊住まいライターは、あとづけで太陽光パネルを搭載。予算の都合で蓄電池は採用しませんでしたが、代わりにポータブル電源を購入しました。結果、停電しても夜間の電気をためておけるように。もともとは災害対策での購入でしたが、夜間の節電にも使え、庭でのバーベキュー、キャンプや釣りにも活用しています。

太陽光パネルをあとづけ。でも夜の停電が不安

筆者は妻と子ども2人(11歳と7歳)の4人家族。家づくりの際に、28社のハウスメーカーを見学。3年前に地元工務店で、2階建ての注文住宅を建てました。

家づくりでは、高気密高断熱にこだわりました。ですから、光熱費のことはあまり心配しなくていいと思い、太陽光パネルを導入しませんでした。

しかし、その思惑ははずれ、光熱費はそれなりにかかります。そこで、1年半前にあとづけで太陽光パネルを設置しました。

じつは筆者、家を建ててからも震度5以上の地震に、2回遭遇しています。そのうちの1回は、数時間の停電が。ちなみにわが家は、まだ蓄電池を設置していません。ですから、太陽光パネルを搭載していても、夜の時間に停電すると不安が残ります。

そこで、ポータブル電源を購入することに。災害時以外でも、購入してよかったと思うことがいろいろあったので、紹介していきます。

当初は蓄電池を計画。しかし予算の都合でポータブル電源に

じつは太陽光パネルをあとづけするタイミングで、蓄電池の導入も検討しました。しかし、ネットで調べると、容量によりますが、80〜200万円はかかることが判明。予算の都合で断念しました。

そして次に検討したのが、ポータブル電源です。蓄電池に比べると、容量は圧倒的に少ないので、停電中の冷蔵庫に長時間利用するのは無理。そこは一時しのぎのものとして割り切ることにしました。

災害時だけでなく、キャンプや庭でのレジャーにも、使用できそうです。コンセントから充電できることと、持ち運びできることは、大きなメリット。

容量によって価格に幅があるものの、数万円で購入できるので予算に問題はありません。検討の結果、購入することにしました。

筆者が購入したものは容量が768Whで、最大出力が2000Wの機種。ネットで購入しましたが、6万円程度でした。

夜はポータブル電源、日中は太陽光発電で停電に対応

購入したポータブル電源には、以下の差し込みがついています。

・AC(交流)出力:2口×100V/10A、合計1000W(瞬間最大2000W)
・USB-Cタイプ:2口
・USB-Aタイプ:2口
・DC(直流)出力:1口12V/10A

これで、家電類だけでなく、スマホやパソコンといったアイテムの充電も可能。容量は768Whと、そこまで大きくはありません。説明書によれば、夜間に冷蔵庫と必要最低限の家電類は使える容量です。

わが家の場合、災害時の日中は、太陽光で発電された電気を、コンセントから充電すればいいと考えました。

ちなみに大きさは幅255.8×奥行き314×高さ209.5mm。重さは10.2kgです。そこまで大きくないのでジャマになりません。大人の男性であれば、持ち運ぶのもそれほど苦ではないと思います。

災害時を想定して家電類を使用。満足な結果に

届いてすぐ、電子レンジ、ドライヤー、炊飯器…、さまざまな家電をポータブル電源につなげてみました。どれも支障なく使えます。電気がなくてもガスボンベとガスコンロがあるので、煮炊きはできますが、停電時もこれらの家電が使えると安心感があります。

また、電気毛布は一晩つけていても大丈夫でした。寒い時期に災害が起きた際にも、暖をとることもできそうです。

充電についても高速モードもありますが、通常モードでも2時間程度でできるので、停電していても日が出ている時間帯は、太陽光でしっかり充電できます。

じつは筆者、東日本大震災を経験しています。周囲では傾いている家もあるほど大変な状況でしたが、7日程度で電気が復旧しています。

そのときと同じ、7日間程度であれば、食料の備蓄とガスコンロ、ポータブル電源、太陽光の発電したぶん(日中)を使用すれば、なんとか耐えしのげると考えています。

ポータブル電源があればアウトドアも充実

災害時以外でもポータブル電源は活用できます。筆者はキャンプや釣りが趣味なので、キャンプの際にも、電気毛布やスマホの充電にも活用しています。また、釣りに出かけ、車中泊するときも活躍。電気ケトルでお湯をわかし、カップ麺をつくったり、コーヒーを飲んだりしています。

さらに自宅でも! ウッドデッキでホットプレートを使用してバーベキューをしたり、在宅ワークを庭で行ったりしています。

庭でバーベキューをするとき、ホットプレートを使えば、炭を起こしたり片づけたりする手間もないため、かなり手軽にできます。それに、部屋で焼き肉をして、においが家の中に日残ってしまうことも防げます。

在宅ワークについては、お日さまの下で仕事をするだけで気分転換に。ワーケーションをしているような感じですね。

夜、ドライヤーを使うときはポータブル電源を活用

日常でも夜ドライヤーをかけるとき、ポータブル電源にたまった電気を使用しています。太陽光パネルが発電していない時間帯に使用する電力会社の電気の消費を、少しでも減らしたいと考えたからです。大した量ではありませんが、プチ節電に。そのような理由から、普段は洗面所の足元(写真)が、ポータブル電源の定位置となっています。

ポータブル電源は、被災時への備えとして購入しましたが、普段の生活でも大活躍しています。さらにアウトドアでも、便利なアイテム。購入してよかったと思っています。